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カーテン

投稿日:2012/8/30

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urayasu photo by okamura codi by yuki

 

浦安店一階の車の部屋には茶色い遮光カーテンがある。

以前インテリア改装の際に、このカーテンをもっと可愛らしい普通の素材のものに変えるという話が出たが、私は反対した。理由は幾つかある。まずひとつは、この部屋の全面窓から入る強すぎる光を調節することが出来ること。遮光の機能を兼ねそろえたカーテンなら、被写体の数や居る位置によって、カーテンを移動し光の入る入り口を作ることが出来る。例えばこの写真の様に、二人居る場合は二人のちょうど間あたりを開け、また被写体が暗く逆光になりすぎないように両端も少し開ける。こうすることによって、適度な自然光を取り入れることが出来る。

また、背景としても画のバランスを取ることが出来る。カーテンの開ける位置なども自分でデザインすることができるし、色が茶色というのも私の中では大きい。この写真とは反対側から車を撮影すると、壁や小物の影響によりポップな印象の写真になるのに、このカーテンの存在感のお陰で、廊下から望遠レンズでこの位置から撮ると、とてもシックな印象の写真に仕上がる。茶色い重量感のあるカーテンは、自然光に照らされ縞模様の陰影を落とす。それも好きだ。被写体や表現したい世界観によって、時間帯から太陽光だけでは光と影の部分がはっきりしすぎて硬い、または暗すぎるイメージになる場合には、補助光を当てることで硬さを少し和らげることもできる。撮り手によって、如何様にも変化させることのできるアイテム、それがこのカーテンだ。

 

 

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