フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

【 衣装 1 】

投稿日:2012/9/16

291 1

Photo by Okamura, Codi by Koide

 

撮影をカメラマンとコーディネーターとで一緒に作り上げて行きたい。

カメラマンとコーディネーターによる相乗効果を生み出して行きたい。

 

一人の子の3シーンをどのように表現していけるのか。

カメラマン、コーディネーター、それぞれの観点から考えた。

 

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

色を合わせる(揃える)コーディネートを最近している。

 

白背景に合わせた全身真っ白コーディネート

 

白い背景に白いコーディネートが溶け込み、被写体の表情、指先の動きなど、肌が出ている部分がとても印象的に写る。

 

そしてその衣装はとても非日常である。

 

普段、白い洋服をママたちは敬遠することが多い。その理由は、すぐに洋服が汚れるから。

また、シンプルな洋服を選ぶことが少ないという。柄物やポップな色使いのものが多いようだ。

 

だから、子供の全身白コーディネート姿はママパパにとってとても新鮮だと思う。

そして、真っ白の中に映える子供の表情が私は好きだ。

 

またWhite roomは真っ白だからこそ、小物を置いて様々に作っていくことも可能だ。

このシーンの後半、本・トランク・椅子の赤茶系の小物をカメラマンが設置したので、それにあわせて、茶色の帽子とグレーのストールを使用した。また、最初に着ていた白シャツを脱ぎ肌の見える範囲を増やした。

 

インテリアと衣装の色味を「合わせる(揃える)」ことを意識した1シーンの中での変化。

同じ衣装でも小物使いで印象を変えやすいということも白コーディネートの利点だと思う。(codi by Koide)

 

--------------------------

 

 

ホワイトルームでの撮影で気をつけていることがある。

時間帯によって光の加減が全く違うこの部屋は、設定すべき照明が撮影タイム毎に変わる。

なので、全て照明を組んだあと、ある程度計算し設定した光の範囲内で子供が動くようにと、その子が集中するようなことをコーディネーターに促してもらい、シャッターチャンスを狙っている。一緒に写真を作り上げる上で、コーディネーターとの掛け合いは非常に大切である。

そして、一番気にしていることは、どんなに子供が動いても隣のセットのフラワーカフェの赤い看板を入れないようにしている。理由はひとつ。この白い世界に赤い看板が入るだけで、置いた小物とインテリア、そして何より衣装とのバランスが崩れてしまうからだ。なので、なるべく子供に合わせて動きながらも、写真にしたときの構図や子供がいるべき場所とのバランスを気にして撮影をしている。

また、上記で小出が述べているように、白い服からのぞく子供の素肌は、その顔以上に写真に表情を落としてくれる。自分でボタンがつけられるようになった。自分で靴が履けるようになった。自分で帽子が被れるようになった。そんな子供の成長を、白い衣装がより印象的に映し出してくれる。

 

ずっと、ホワイトルームでの撮影が苦手だった自分にとって、コーディネーターが選んだ衣装の意図を汲み取った上でのこのセットでの撮影というのは、カメラマンとしてしか場面を見ていなかった自分にとって非常に刺激があり、そして面白いものであった。(photo by okamura)

この記事をシェアする