フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

横位置構図

投稿日:2012/9/22

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写真の縦横比が異なる場合、縦位置構図で撮るのか、横位置構図で撮るのかは、何をどう表現したいかで選ぶ必要があります。

人間の目は横に並んでいるので、横に広がる構図は安心感や安定感を得やすいが、もしそれが少しでもバランスが崩れていたり不自然であった場合、どうしても違和感を覚えてしまうため、被写体のほかに背景やその場にある複数の要素を整理し、一枚に収める必要があります。

そして、横位置構図で人物や風景などを撮影する場合は、縦位置写真に比べ客観的な印象を与えることができます。

写真でいう客観的とは説明的とか記録的などと言い換えられると考えます。そのため、撮影現場の状況を伝える際に適した構図と言えるでしょう。

一方で人物を縦位置構図で撮影するときは、余白の大きさで異なるが、人物が主体になる場合が多いことから撮影者が何を主張したいかを伝えやすい構図と言える。

伝統的な絵画も風景は横位置、肖像画が縦位置で描かれることが多いことにも共通されているのではないでしょうか。

 

この写真が撮影されたのは、まだ暑い夏の夕方でした。

太陽は強い日差しを和らぎはじめ、越谷店の一階に落ち着いた光を差し込んでいました。

その光を逆光に使い、被写体を位置する。

バックにはアイアンのベンチ。

手前には右奥にあるキッチンのインテリアが入らないように前ボケを入れることによって、さらに写真に立体感を出す。

窓枠の黒い柱が写真の衷心より若干ずらすことにより分裂感を防ぎ、写真に安定感を与える。

コーディネートにも小物で黒を入れることによって全体のバランスを取る。

それに被写体のかわいらしいしぐさが加わった。

 

この写真は横位置写真でなければならなかったのです。

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