フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
物語を始める
投稿日:2012/9/28
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川口店のインテリア工事を手がけて、初めて好きな色に塗ってもいいと指示をもらい初めて、そのインテリアに合う小物を自分たちで選び、セッティングをするという経験をした。
今までのライフスタジオらしいような色を無難に選び、今流行のアンティーク小物コーナーをふらついて、自分たちの感覚でかき集めた小物を並べ、ワクワクしながらカメラを構える。だけど・・・何かが違う。何かが足りない。何かがハマラナイ。
私たちの思いをどこで表現して伝えていくのか?
私たちのコンセプトは伝えたいことは何なのか?
訪れたお客様に何を感じてもらいたいと願うのか?
・・・答えは単純なものだった。そうか、スタジオのコンセプトを決めるということは、スタジオのインテリアの背景を考えてセッティングをするということはそういうことなのか・・・と気が付いた。
写真を撮影する際に、ただ単純に可愛いモデルさんが存在するだけでなく、それ以外に大切な要素がこんなにもたくさん存在するのだということに気が付きました。
この川口店で感じてもらいたい「想い」「情熱」「テーマ」は何か?
川口店で手がけたインテリアの背景ひとつずつにテーマと世界観そして物語を存在させるということ、物語を組み立てる上で必ず欠かせないコーディネーターという役割が存在するということ。コーディネートひとつで物語は無限の可能性を見せる。
ドレスを着せるのか?ドレスを着せたらパールのネックレス?ティアラをつけたのなら、その瞬間彼女はプリンセスに変身する。ドレスを着せてここで、帽子を被せるだけで、ドレスはさまざまな表情を見せ始める。
では、ドレスを着せた小さなプリンセスをどの場所で撮影をするのか?
いや、撮影をするのではなく、どこまでモデルさんを私たちの生み出した物語の中へ案内するのかが重要なのだ。
手を取り優しくエスコートをするのか?お花を渡してお花畑をクルクルと舞う妖精の姿に変身させるのか、本を持たせてお城の中で女王になるための勉強をしているような場面を提案するのか、すべては私たち作り手の「伝えたい想い」を形にすることで完成されるのだということを感じました。
ドレスに着替えた彼女にコーディネーター(案内人)が優しくパールのネックレスをつけ、白いお花を髪飾りに選ぶ。鏡に映る自分の姿を見てネックレスを眺める彼女の姿から受ける印象は「お城をひっそり抜け出す際にママのネックレスを借りてドキドキしながら身に付け初めて対面する自分に胸を躍らせる小さなプリンセス」へと物語が生まれる。
まずは、川口店の物語を私たちが描き始めるということ。
川口店というスタジオ全体を大きな絵本に見立てるのなら、私たちがまずすることは、絵本のタイトルを決めるということ。
その絵本に登場する私たちはどのような登場人物なのだろうか?
絵本の世界に迷い込んだ人々にどのような新しい体験を演出できるのだろう?
ライフスタジオのインテリアが持つ力に驚きを隠せません。
しかし、インテリアが可愛いだけではなく私たちがどのようにその舞台に命を宿すことができるのかということが重要なのだと感じました。
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