フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

Corner

投稿日:2012/10/7

327 0

「帯のひとつの顔」を表現したかった。

 

作り帯・結び帯の場合、帯を撮るように心掛けている。

そもそも帯の意味合いや帯の結び方も古い歴史がある。

一丈二尺の長さに九寸幅という形が享保以後(1716-1735))の基準となり、

結び方も状況に応じて種類が多くなり、帯が女装美の中心をなすようになった。

要は帯の色しかり結び方ひとつで美しさ・気持ち・状況が反映されているということだ。

 

「いかに美しく撮るか」・・・あえてそこではなく、「帯のひとつの顔」を表現したかった。

黒い手結びの帯ということで大人の女性を表現しつつ心情面では悩ましげ且つ内気な表情を

設定してみた。腰を前に突き出しアゴを引く。無表情で視線を落とす。

花や華やかなファーや傘を使わず、あまり良くないとされている年季の入った部屋の隅を

あえて構図的に良い位置に持ってくる。ことで彼女の内気な感情を表現。

さらには体のラインを生かすため逆光でほんのりと華やかさを演出。

この記事をシェアする