フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
本を読む少女
投稿日:2012/11/26
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本を読む少女
良い写真にはかならず理由がある。
そうでなければ結果は出ない。
いつも75カットの写真を構成しながら、それを計算しながら
子供の位置、光、表情、小物、色、コーディネート、自分自身の位置、全てに神経を注ぐ。
そして最後は四角の中から自分が何に集中しているのか、について集中する。
もの静かな彼女は、これで会うのも4回目。
私は生後6ヶ月だった彼女を知っている。
私はこの3年で知識と経験をつけ、
彼女の時間とまた交差することになった。
前の姿とは違った彼女が見てみたい。
その思いからこの写真は出来上がった。
いつもおかっぱが似合う彼女。
恥ずかしがりやで、甘えん坊なところは何度会っても変わっていない。
でも今日は少し背が伸びて、
しっかりと一人で堂々とたつ瞬間が見え、
小さな体の大きな勇気と頑張りが見えた。
大人たちにとって手のひらサイズの本が
彼女の手にはぴったりのサイズだ。
彼女のコーディネートの差し色に合わせて私は赤い本を選んだ。
そしてこの差し色は単にコーディネートだけではなく
写真自体の差し色になるように演出される。
服の影と、光の方向でこの写真を見た時に最初に見るところは
決まってくる。
そんな風にいろんなことが繋がってくると、余分なものはそぎ落とされ、
大事なものだけがストレートに残ってくる。
この写真を見た人に伝えたいイメージが
直球で伝えられるように。
本を読む少女。
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