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繋4

投稿日:2013/2/1

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繋4

The house that jack built

 

彼から電話がかかってくるとヘビメタ足立と私の携帯には名前がでてくる。

そう、彼は私の中では常にメタル的で、鋭くて、理性的で、ロックなイメージであった。

彼はいつかバーボンを飲みながら、笑顔でみんなと熱く語るおじさんになっているのだと。

勝手な私の妄想と今の彼を考えていると自分が最初、彼に対するイメージ自体も矛盾であったかもしれないと思った。

 

彼は誰よりも繊細で情熱的でさびしがりで、不器用である。

そして誰よりも真剣で、誰よりもやさしかった。

長い時間をすごしたようで考えてみるととっても短い。

まるで私たちが毎日の撮影を一組一組過ごしているように。

いつかは思い出になる瞬間を色んな強い衝撃で鮮明に蘇るように。。

彼に対する私の思い出はまさにそのものだ。

 

初めて一緒に入った撮影はお互いが思ったいい緊張感をただよせていた。

私はうまくやりたいということと、遊ぼべられたらいいなという漠然とした緊張感とうわさの彼の撮影や空気の作り方をやっと味わえることでわくわくしていた。

彼は何を思ったのだろう。

数多く語ってはなかったがカメラマンの彼と私と、そして子供と、ママ、パパの笑い声が耐えなかったことだけは覚えている。

 

そしてカメラマンの彼と私は同じ絵を連想していたことがわかった瞬間であった。

 

私が被写体を思い、選択し、動いたことに対する証。

そして彼の動きや声、そしてコメントに対する私の動きの証。

あえて言わなくても分かち合える信頼。

 

お互いを思い、想像してみること。

認め合えること。

いわゆる言葉に囚われず自分とその瞬間に反応しながら受け入れること。

 

名前や、立場の意味は唯の形式に過ぎない。

その瞬間にみんなが素直に反応するその時のみんなは一緒であったこと。

 

被写体の明るさが、ママパパの優しさが、撮影者の情熱が、隣の遊び人のいたずらがそのすべてが作り出した証である。

 

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彼は色んな数々の伝説を残し卒業をした。

「人は人に生かされている」という言葉を残して、、

 

write by ming photo by adachi tadashi in Koshigaya

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