フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
白に始まり、、、
投稿日:2013/3/31
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ライフスタジオのカメラマンとなってすぐの頃。
Lee社長に写真の教育をして貰っていた時のことを思い出す。
今でこそ店舗数が増え、インテリアの種類も様々なものが作られていたが、最初は何もない空間でカメラマンが創意工夫で沢山のバリエーションを生みだしていた。
その時に見せてもらった写真の衝撃は今でも覚えている。
カメラマンの実力は「人を動かす力」ともうひとつ、どんな環境でもその場で瞬時に美しいポイントを見つけ、写真に昇華させる力。
あの頃は全くそれを実現することができなかった。
今はほんのちょこっとくらいは違う世界をみることができているだろうか?
白い空間というだけでもだいぶ準備がされている状況だが、他のインテリアに比べては格段に要素の少ない空間。
この場所で撮る難しさと、無限の可能性を感じる楽しさを感じることができるくらいには成長したのかなと思っている。
話は変わるが、先日カメラの勉強を始めたばかりというパパさんとお話をしていて、自分が、どうやって写真を学んできたかということを思い出していた。
漠然と写真を見るということでは写真のポイントを掴むことがまだできなかった頃、僕は絵画を見て、それらから構図やイメージ、光などを学んだように思う。
写真は目の前にある情景の中から、自分が必要だと判断したものだけを選択し、画面の中に配置することで生まれる。
しかし、絵画は必要なもの以外、そのキャンバスの中に存在しない。
白い空間で写真を撮ることは絵画を描くことに少し似ているのかもしれない。
被写体の動きも、小物の配置も、光も全て自分の選択で作り上げていく。
必要なものだけを明確に認識し、シャッターを切る。
どんな写真でも常に当たり前のように感じる「選択する責任」を一番強く感じる空間なのかもしれません。
自然光がもたらす、人のチカラでは到底到達できない美しさも、インテリアの可愛さに助けられることもない。
一番基本を学ばせてもらった場所であり、まだまだたくさんの技術と思考、工夫が眠る場所。
話は少し変わりますが、この写真が、僕にとって最後にphotogenicに上げる写真です。
私事ではありますが、今日を持ってライフスタジオを去り、新たな道へ進む決意と共に前進します。
最後の一枚を選ぶにあたって、初心に帰るとでも言うような感覚の中、この写真を選びました。
この写真からも多くを学ばせていただきました。
今現在の自分と、これから目指すべき姿。
僕は今までの写真で得た手応えも束の間、いつもすぐに足りない何かを感じていました。
この写真はこのお子さんと親御さんにお願いをして、100%僕のわがままを撮らせていただく環境を作りました。
快く引き受けてくれた親御さんたち、笑顔で遊んでくれるお子さん。
自分の思う景色を残すために全力を注いだことは言うまでもありません。
たくさんの方々の協力でこの一枚に挑戦できたのだと思います。
カメラを手にするようになって毎日毎日、全力で向き合い、苦悩し、ちょっとしたヒラメキと仲間の助言で再挑戦をすることの繰り返しでした。
この写真を撮った時も、この公式をもう一度強く認識することになりました。
一旦の完成と、再考、熟考、再挑戦。
きっとこの写真の先にも多くの可能性が控えているはずです。
もしかしたら、もうそれに気づいているのかも?
たくさんの写真を撮らせていただき、たくさんのことを学ばせていただき、このターニングポイントで、このタイミングで再会した人たちと、自分の最大限を知る挑戦をする。
そして、初心に帰ることができたことを嬉しく思います。
最後になりましたが、光で描く美しさと、人の中に生まれる感動を教えてくださったこの場所、そしてたくさんの方々に感謝しています。
ありがとうございました。
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