フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
Valuable change
投稿日:2013/4/19
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少し焼けた肌に真っ白なシャツと真っ白なパンツだけのシンプルなコーディネート。最初に着ていた黒いジャケットも、付けていた黒い蝶ネクタイも黒のローファーも黒縁のメガネも黒いハットも、シャッターを切るたびに少しずつ脱がせていって、最後にはこの真っ白なシンプルなコーディネートが残りました。脱ぎながら変化を付けていくこのコーディネート方法を日々研究し追及しながら、僕はカメラマンとしてそれをどう変化をつけながら、圧縮して原本CDの中に残せるかを考えました。何度か同じ撮影ペアでこのコーディネートに挑戦しつつも、完璧な満足感は得られず、撮影の後に何度も反省と研究を繰り返し、お互いのイメージを固めていく中で、この日、僕たちは白いキューブの装飾のあるこの部屋での撮影に挑戦したのです。僕は背後に写るインテリアの光と影を意識し、被写体にも暗すぎず明るすぎない光をサイドから当てるための蛍光灯ボックスの調整を短い時間の中でワーワー言いながら調整し、光と影と白いコーディネートを最大限意識しながらこの一枚を残しました。そしてこの子の普段見せない表情を僕たちは表現しようと賢明に努力しました。普段見せない表情を作る雰囲気作りとその子の普段見ることのない一面を引き出すために僕たちが出来たことはまだまだ他にもたくさんあったかもしれません。たとえば、洋服の素材感や光沢感にもっとこだわってみたり、髪の毛を濡らしてアンニュイな雰囲気をもっと出してみたり、アクセントとなる小物をプラスしてみたり、手の位置、顔の角度、目線…これからもさらなるイメージを共有していく作業が必要です。でもカメラマンとコーディネーターが息を合わせてひとつの作品を作ろうと試みる中で、被写体を無視するわけではなく、自分たちの思いを、たとえ相手が子どもであろうとも、慣れないペアであろうとも、写らない胸のシャツのボタンを開けてさらにヌーディーな雰囲気を作ろうとしてくれる姿を真横で見ていて、彼自身のスイッチも入り、僕の闘志にも火がついたような気持ちでした。彼が本気で男になったこの表情を1ミリでも遠くの人に伝えたいと思ったのです。一枚の写真のみでその子のいつもと違う表情を表現するということは難しい作業ではあります。また一枚ずつ脱いでいく変化コーディネートはコーディネートの雰囲気が常に同じであっては意味がありませんし、短時間で雰囲気をいくつも変えられることにそれを行うメリットが見られます。多少の時間を裂いてしまう場合もありますが、その毎日の小さな努力が僕たちの小さな成長につながりお客様の大きな喜びになることを念頭に置きながら、今は自分たちのモノトーン最強コーディネートと、少しでもクオリティの高い雰囲気と、光と影に意味のある写真を残していくことにまっすぐに集中することこそが、ここに青山FCがいる存在理由だと思うのです。
まっすぐに。前を見て。生きていこう。
Aoyama photo by FUNADA coordinator by CHIBA
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