フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

広角の特性

投稿日:2013/4/29

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ライフスタジオの特長のひとつに、どこで撮影をしても背景として成立しうるインテリアがあることが挙げられると思う。

そして、いつも考えているのは、被写体が幼いこどもである以上、彼等に負担を与えることなく、手を替え品を替えどれだけのバリエーションを原本にいれることが出来るのかということです。

実験をしていた。被写体を彼の意思以外に動かさずして、どれだけのバリエーションが撮れるのかという実験だ。

3シーン目、この写真の彼にはここに座ったまま特に大きく移動や動きを指示したりはしていません。その代わり、カメラマンの私がホワイトルームの真ん中に座らせた彼の周りを囲うように周り、撮影をしていきました。

 

コーディネーターは私がホワイトルームで撮影するであろうことを見込んで、白い衣装を提案してくれました。

ホワイトルームに白い衣装。それは余分な要素が何もない中で、こどもの肌が際立ち、その子の仕草や動きに集中しやすいためとコーディネーターが選んだ衣装である。

ですが、私は彼の周りを周り、奥にあるフラワーカフェが背景の構成要素の一つとして入ったとき、コーディネーターに小物を付け加えて貰うよう指示しました。

 

その小物というのが、カメラとストールです。

 

アイテムを付け加えて貰うには、明確な理由がありました。

それは、近くのものをより大きく、遠くのものはより小さく写し出す広角の特徴的な描写を利用するためです。

手前の被写体を視覚的に強く強調して写すために、アイテムをプラスで付け加え

通常、フラワーカフェをこのように入れて撮ることはあまりしませんが、

あえて色のあるインテリアを背景に入れることで、広角の特性を借り、

浦安店の実際の広さよりも奥行きのある写真に仕上げました。

広い範囲を写し出すため、背景に映り込む余分な物達を一目散に撤去した上で、

被写体には出来るだけ近づき、広角独特の迫力を出せる様に床に這いつくばって撮影しています。

このように広角レンズは、画面だけでなく、自分の写真の幅までも広げて奥行きを作ってくれるから、とても面白い。(文章:岡村)

 

 

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広角写真が浦安店の主題に設定されてから、75カットの流れに今までよりも抑揚がついたとモニター時に感じる。

3月はカメラマンたちが広角を意識し、よりよい写真を求め、カメラマンが挑戦と調整を繰り返す姿があった。

 

写真を見る時間、主題写真について話す時間、また実際の撮影を通じて、3月の半分が過ぎた頃には各カメラマンがどう撮ろうとしているかが分かるようになった。

イメージするものを共有出来ていることで、カメラマンの意図するものがわかり、そのためにコーディネーターの自分はどう動くべきかわかるようになる。

また、広角写真は被写体の表情がとても重要だということは、主題写真を集めて見ると、とてもわかりやすかった。広角写真でなんとも説明のつかない表情は、なんだか違和感があった。レンズを覗き込む顔、声が聞こえてきそうな元気な表情、つい目線の先が気になる横顔、広角被写体の表情がより印象的になると感じた。

 

White room側からのこの写真は、後ろに余計なものが写らないようにライトボックスを始め、あらゆるものを写らない場所へ移動した。ゴチャゴチャとしたインテリアが鮮やかな色となり、white room側からのアングルが新鮮だ。鮮やかな背景がありながらも、white roomの少年に真っ先に視線が向かう。

 

ストールのストライプの茶、シューズの茶、後ろのブロックの茶、コーディネーターとして色合わせも嬉しい。(文章:小出)

 

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