フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
パースを利用する
投稿日:2013/4/29
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空間を歪んだように撮影できるというのが、広角レンズのひとつの特徴である。
パースペクティブを強調し、より迫力のある画作りをすることが出来る。
それを利用すると近くのものはより近くに、遠くの物はより小さく写すことが可能だ。
また、それを強調して表現するためには、被写体に極力近づくことが必要である。
だが、ただ単に近づくだけでは違う。私たちの撮る写真は被写体ありきだ。
広角レンズは表現を誇張することが特性であると同時に、その特性を上手に活かさないと、被写体の短所を誇張する危険性をもはらんでいる。
だからこそ、私たちカメラマンはその被写体の骨格をよく見分けなければならないと思う。可愛い、格好良く見える角度を探すのだ。
私のカメラを構えていると顕著になるそのアンテナは、この角度を捉えました。
彼が一番かっこ良く見える角度。そこに視線を誘導させるために、車のパースを広角レンズによって利用しました。
そして、【車】【被写体】とパッキリ二つに分かれないように、彼には車のラインに沿うように手をおいてもらい、関係性とそのパースラインを強調しました。
目線は外してもらい、光の方向を見てもらいます。そうすることによって、彼の格好良い切れ長の瞳にキャッチライトが入り、より印象深い瞳になります。
彼の奇麗に通った鼻筋を活かすために、顔全面に照明は当てません。鼻筋に沿って影が落ち、より男らしくカッコいい表情の描写が出来るよう、遮光カーテンと照明を微妙に調節しました。
広角レンズの特性と、被写体の骨格を見極め長所を見つけ出し、それを利用することは
被写体の普段とは少し違った姿を発見するということに繋がります。
それは毎日一緒に居る親御さんでは撮れない写真。私たちにしか撮れないものだと思っています。
(文章:岡村)
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撮影では、衣装が変わると撮影するインテリアも変わる。
コーディネーターとして、カメラマンにコーディネートのポイントを理解してもらえると、とても嬉しい。インテリアと衣装、双方のイメージの合致が写真をより整理してくれると思う。
車の色使いと衣装の色使い。
双方に使用されている色が同じであるが、車の赤が全体的に強いので、黒のTシャツが衣装の大半を占めており、赤は差し色として使用しバランスを取っている。赤と黒が印象的だが、それだけではない。
赤い車・黒の窓枠・シートのグレー・ベージュの屋根
赤いストール・黒のTシャツ・☆の模様とチェック柄部分のグレー・ベージュのニット帽
色使いが整理された写真は見ていてとても落ち着く。
写真はカメラマンだけが作り出すものではなく、コーディネートも構成要素の1部なのだと改めて思う瞬間だ。(文章:小出)
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