フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

手を入れたクローズアップ

投稿日:2013/7/28

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7月のSSチームの主題であった「手を入れたクローズアップ」

被写体の何にクローズアップしたのか。

なぜクローズアップでなくてはならなかったのか。

それが明確でなければ、ただ大きく被写体を写した写真になってしまいます。

そして、手を加えることでそのクローズアップをより効果的にしなくてはなりません。

クローズアップするということは、写真を埋める構成要素が被写体のみになるので、被写体に集中することが重要になってきます。

この子は何か好きかな?

何をしたら私を好きになってくれるかな?

どんなチャームポイントを持っているのかな?

どのアングルがかわいいかな?

Etc…

被写体を観察することで、イメージを膨らませる作業は本当に楽しいものです。

 

この男の子は妹思いの優しさを持っており、お兄ちゃんだけど3歳の甘えん坊な部分もあって、とてもかわいらしさにあふれていました。

しかし撮影に入るとこちらの要望に懸命に応えてくれ、その頑張りを力強く残してあげたいと思いました。

強い光のグラデーションを作りたかったので、外光の全く入らない二階の廊下に照明を置き被写体に当て、被写体の顔の角度を調節し、瞳にキャッチライトを出す。

瞳に輝きが入ることで被写体の表情をより活かすことができます。

そしてワンライトであることをより活かするためにモノクロを選択しました。

また、効果的に手を入れることを考え、力強さを表現するために握ってもらった拳を額にあて、平面的になりやすいクローズアップ写真に立体感を出しました。

四角いっぱいに被写体を入れ、緊張感を持って正面から向き合い、意図した表情を引き出すことに集中する。

カメラマンとしてその一瞬を逃すことは許されません。

 

この写真はクローズアップであったからこそ、表現したいものを完成させることができた一枚です。

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