人はどうして、暗闇の中にいると光を見ずにはいられないのだろうか？

 

光が欲しい。

そう思って、部屋の中をいつもグルグル回っていた。

決まりきったライティングに、当たり前のように入る自然光。

自分のバリエーションが頭の中をよぎるたびに、もっと何かないのか？

だから、私は少しずつ光を欲しがった分、光を消していった。

この光がないとどうなるのか？

影はどこにできるのか？

光はどこまであたるのか？

だから、私は天井からの光だけを残してみた。

天井から壁に当たる光。

その光は少年を優しく照らした。

私は「上を見て」と言った。

少年は自然と光を見上げていた。

暗闇(暗)の中にいるから、その光(明)が生きるのかもしれない。

 

光が欲しい。

だが、私は暗も欲しいことに気づいた。

 

 

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