フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

『texture』

投稿日:2014/5/18

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No.99 Yokohama Aoba 
 
Photo by Volvo / Hairmake & Coordinate by Kaori
 
私達の毎日行っている撮影は撮影者達が衣装を決定し、撮影場所を決定し、撮影内容などあらゆるものを自分達で決定していきますが、そもそもなぜライフスタジオはこの撮影スタイルなのか考える事があります。
それは笑顔が出やすいからでしょうか?
それも答えのひとつではあると思いますがメインではないと思います。
 
私はこの問い自体がライフスタジオの撮影スタイルの本質であり、私達を自由に、そして不自由にする事がこの撮影スタイルの核心なのではないかと考えます。
 
例えばすべてがマニュアルで規定され答えを持った状態で撮影に臨むのであれば、どの店舗で撮っても誰が撮っても同じクオリティを保つ事ができ、それは企業としてひとつの価値を持っている事になります
 
もしかしたらその方がお客様から見れば安心、安定するかもしれません。
牛丼屋さんはどこで食べても同じものを食べる事ができますし、お客さんもそれを臨んで来店します。
 
ではなぜライフスタジオはそれをしないのでしょうか?
 
このような話を私達がしていると「個性を大事にする」という言葉がよく出てきます。
もしこれが答えなのであれば「スタッフの個性の為に安心安定を実践しないのですか?」
という質問を返される事になります。
なのでこの答えは合っているともいえますし、まだ何か足りないとも言えます。
 
私はライフスタジオの撮影スタイルを「自由と不自由を、撮影を実践していく人間に常に投げかけていく確立された能動的システム」であると考えます。
 
このシステムの前で私達は能動的にならざるを得ません。
自分達で条件を決めなければシャッターを押す瞬間は訪れません。私達にマニュアルは無いからです。
 
ここで言う自由とは「発展」の事を言い、不自由とは「発展」の事を言います。
つまり、今私達が実践している毎日の撮影は自分達を開放とプレッシャー、解決と苦悩の相互作用によって発展し続ける事ができるシステムを踏襲し高め続ける事、その結果として個性というものが発揮されていきお客様と撮影者の相乗効果が生まれ、また個性が磨かれていく事。それが現在の私達のスタイルなのだと言う事が出来るのではないでしょうか。ライフスタジオのリピート率の高さはそれによるものであるようにも感じます。
 
 
「不自由」を「自由」に変えていく現状システムに、条件を作り加える事でその発展プロセスを強めることができる、それがハーフ成人式を撮るという事の本質となります。
 
ヘアメイクのバリエーション、フィッティングから入るトータルのコンセプトと撮影者達のイメージの共有、それは具現化していく作業によって生まれた写真そのものの「質感」として表現されます。

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