フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
融合
投稿日:2013/8/14
391 2

photo by volvo codi by omatsu in Gallary
普段、デジカメで写真を撮る時わざわざ縦で撮影する人は少ないと思う。
ところが人物写真を売る商業写真のほとんどは縦写真である。
理由はふたつ
ひとつは人物が小さくなってしまうこと。
もうひとつは人物以外の部分が大きくなり、カメラマンの技術不足により処理ができないこと。
よく縦写真は状況の説明、横写真は場所の説明が必要だと言う。
ところが横写真の多くは前ボケで壁を入れたりなんやかんやと入り、場所の説明というよりはとりあえず隙間を埋めているような感覚に陥る。
ようは「縦でもいいんじゃないか?」という写真である。
私は自分の横写真に対してそういう思いが拭えず、写真は引き算というように極力縦で撮るようにしてきた。
一方で確立されてきものが被写体の動かし方である。
おおきなくくりで言えば「関係性」であるが、この写真のこのポーズに至るまでの細かすぎる行程をいかにストレス無く伝えきるか。ここにもはや説明を書く必要はないほど自分の中には定着している。
もちろんアシスタントのフォローも重要になってくるので、まっちゃんにはたくさん助けてもらい一緒に入ったのが初めてとは思えない速度でのリカバーに心の中でお礼を言い、モノクロ設定でシャッターを押した。
苦手としてきたものが自分の得意分野によって導かれ融合し、初めて撮る環境がインスピレーションを与えてくれたおかげで冷静なフレーミング、光を可能にし、平坦になりやすい横写真に場所の説明を前ボケで含め、私自身の可能性の昇華と日の落ちた時のギャラリー店における新たな可能性が見えた一枚ではないだろうか。
この記事をシェアする