フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

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投稿日:2013/8/19

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photo by volvo codi by itsuho in koshigaya
 

一年程前に、越谷店で写真を教えてもらったヘヨンさんから私の写真について「男性らしい力強い線と女性らしいやわらかさがある」と表現してもらった事がある。

 
写真によってどちらに近いのかわけられるが
その両方を意識した写真というものを中々作り出す事が出来なかった。
 
男性的なラインというのはいわゆる整理されているということだと思うが
私は整理されている写真がとても好きだ。
ファインダーの中を見てサッと全体を見渡し何を入れて何を抜くべきか判断をする。
一方で女性らしいという表現は感覚的な部分のことを言っているのだと思うが、感覚に頼った写真もまた好きだ。
同じ場面でも撮る人によって全く違うその人だけの感性によって導かれた写真。
それは時に想像を超えたものを生み出す可能性を秘めている。
 
私はその両方を意図的に表現したいと思っている。
感性で撮っているものを計算して作り出す鍛錬は怠らない。
私の撮影スタイルを熟知しているいっちゃんが私のかけ声に相乗効果を生み出す言葉をのせていく。
それによって私だけでは作り出せなかったより適切な体重移動をした彼女を包む込む光と全ての線に目を通し整理する時間をもらうことができた。
 
彼女と会うのは三回目になる。
私がライフスタジオに入ってから3回撮影させてもらった事がある人は数える程しかいない。
 
初めてであったのは1歳の頃。その時は人見知り真っ盛りだった彼女に
つらい思いをさせないようにしたい気持ちだけで一杯だった。
2歳になってからも彼女の警戒心は強かった。両親やアシスタントが引き出してくれるたまにでる笑顔を必死にとらえることに精一杯で、彼女の中に私という存在を受け入れてもらう事は難しかった。
3歳になった今回、どういう撮影になるのか緊張していたが、後から聞いた話だとママさんの方が前日から緊張していて大変だったらしい。
そんな彼女との三回目の再会で会った瞬間に彼女から聞こえてきたのは「こんにちは!」という言葉だった。
 
「!?」という記号が文字通り頭に飛び交った。
それと同時に大きなうれしさがこみ上げて来て、久しぶりの再会に成長を感じる親戚のおじさんのような感覚だった。
笑いながら走り回っている子供を見たママさんのうれしそうな表情を見てまた私がうれしくなったし、私の内に秘めたプレッシャーもすーっと消えていった。
 
撮影が終わった後、ママさんが言ってくれた「安心する」という言葉が私がこの撮影に入る理由であり、私の理想の撮影像でもある。
男性的であり女性的である写真、カメラマンとアシスタント。被写体と撮影者の関係。そのすべてが結合してこの撮影によって生み出された事が縁を感じずにはいられません。
 
また会いましょう☆

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