フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

支え合いの中で生きていくこと

投稿日:2014/5/12

952 0

人に、写真に、自分自身にもっと深く入っていきたい・・・。
 
私達は日々撮影をしながら、常に何かを探しています。
その何かは多くを意味しません。ただシンプルにひとつのことを追い求めているはずです。

それは何か・・・?  「人の美しさ」ではないでしょうか?
ではそれはどんな状態を指すのか?
このように、常に自分の内部から聞こえてくるなぜに対して向き合っていくのです。この写真分析を通じて人の美しさを常に探していくことが私達の追及する唯一の使命でもあると考えます。
 
私達のホームページにはこのような言葉で、人の美しさとスタジオのマインドについて話されています。
 
『自由に、そして真っ直ぐであること・・・それこそが本当の自分に出会うということでありどこにいても、いつも共にあると信じる力になる。お客様と出会い私たちの写真とデザインで幸せを感じてもらえる瞬間こそがLife Studioが存在する理由だと考えます・・・Life Studioはなによりも関係を大事に考えます。スタジオを作り出すたくさんの要素の中でも、最も大事なものを選べといわれたら“被写体を動かす力”だと、考えます。“もう一人の私”を、被写体自らが発見する瞬間こそシャッターを押す決定的な瞬間です。その瞬間のときめきとも言える感情は、カメラマンはもちろん、被写体の喜びの瞬間だと信じます。韓国に“シン ヨンボク”という人がいます。その人の書いた文章の中に、こんなものがありました。“共に森に・・・木が木に言いました。・・・共に森になって守って行こう。”素晴らしい友達に出会い、素晴らしい写真を創り出し、すばらしい思い出を、大切にしていくこと・・・これがLife Studioの希望です・・・Life Studioは写真館を3つの概念に分けて考えます。
  • ・美しさ
    ・表現の楽しさ
    ・思い出の為の記録
     子供達と一緒に横になってお互いの存在を確認するその瞬間、愛する人の吐息を聞きながら感じる平穏という美しさ・・・その瞬間の感情を表現し思い出として記録していくこと。それが写真なのです。写真館はその瞬間の感情ほどではなくとも可能な限りの人為的な条件を作り出しその中で最大限に自然な姿を引き出していかなければなりません。そして同時に楽しい時間として記録されていかなければならないのです。現在は“記念写真”だけで構成されている日本の写真館の概念を変えなければなりません。Life Studioは写真館の定義を、美しさを表現し思い出を記録する楽しみの空間と規定します。Life Studioは自由/関係/楽しみを優先します。
    その次に、写真だと考えるのです。人生を一篇の芸術作品として、存在する美しさを生涯かけてつくりあげていくという“存在の美学”として、それを実践する場所になっていきたいのです。私たちはLife Studioが写真と撮影のサービスでつくられた経済活動の空間だとは考えません。ゆっくりと、そして原則を守りながらお客様とスタッフが“一緒に楽しむ”
    “人生の写真館”になっていくことを、希望します。』
 

ライフスタジオの全てのスタッフがこのマインドを軸に撮影に取り組んでいます。私もそのうちの一人であるよう、仲間と共にお客様と共に本当の美しさと出逢いたいと願っています。
 では、どのようにしたらこの出会いを現実的なものにしていくのか?
その部分において自ら掘り下げていくことが重要です。
理解していてもそれを実践しなければ意味がないのです。
 
最近思ったのは、いつも日常的に生きている姿こそ、
人工的ではない人の香りがしたあるがままの美しい人の姿ではないかと考えます。
この一枚の写真のように母と娘の関係に集中していくと、様々な交感が想像できると思います。
なぜならば、私達自身も生まれた瞬間から両親と様々な交感を経て成長してきたからです。
交感とは、互いに感じあうこと、心が通じ合うことを指し、心身とも触れ合うという意味です。
そのような情景を思い浮かべて、その状態を出来る限り引き出してあけることが、
私たちが撮影中にもっとも力を入れている部分ではないでしょうか?
今回の一枚では、「支えあい」という交感を表現しています。
 人は完璧な存在ではありません。他者と他者との支えあいの上に成り立っています。人が一人では生きていけないよう人と人が支えあっている情景が自然と垣間見れる状態をスタジオの中でも動けるようしていくのです。そのようなイメージを持ちながら撮影に挑むのです。
1cm単位まで、写真を構成している要素を整理し、被写体の関係性をより現実的なものにしていくのです。この方法を繰り返し行っていけばいつかは、人の本当の美しさと出逢えるのではないかと思います。

Photo by Ouchi  codi by Fujigoe  in kawaguchi

この記事をシェアする