フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
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投稿日:2013/5/25
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写真を撮る時に何を考えていますか?
撮影スタイルはありますか?
何に気をつけていますか?
写真とはなんですか?
撮影者となった時に、とても悩んだことでもありました。
そして模索し続けながら、撮影に携わる色々な人に訪ねていたように思い出します。
ライフスタジオの中でも、他のカメラマンとも、写真について話をしました。
たくさんの写真を見ながら、たくさんの写真を撮りながら、
写真という可能性をいつも探していたように感じます。
それは今でも変わらずに、日々、話をしながら自問自答しながら、カメラを持つまでも、そして持っている間も、ずっと考えています。
優しくて自然な写真を撮りたい。
大切に想う気持ちを残していきたい。
追求すればするほどに、思いと同時に自然に見せる形、残してゆく為の流れも追求していくものでもありました。
どんなに気持ちがあったとしても、写真という理論や構成についても持っておかなければなりません。
まず、写真を撮る時に必要となってくるのは光です。
露出がオーバーでは実像としての写真は残らないし、適正なものでなければ写真のイメージも変わってきます。
カメラを持っての第一段階に絞りやシャッタースピードの理解、露出を厳密に覚える必要があると思います。
そして、構図。
本を読んでも、写真を見ても、バランスというものがよく示されていますし、やはりいい写真は落ち着く比率や構図があります。
人物単独の写真においても、複数名の場合であっても、よく美しい三角形をイメージすること、とあります。
これだけではありませんが、撮影ということにおいては基本的なことの理解と、そこから様々な応用力が問われてきます。
理論だけではそこに当てはめて行く、ということに意識が囚われすぎてしまうことにもなりかねないので、光も構図も基本的なことはベースとして残しておいた上で臨機応変に状況を見ながらその場その場で変化させながら、無理のないように、安心できるように撮影をしていくことがわたしにとっての第一条件としてあり、その中で見つけていく、探していく、ちょっとだけ調整する、というスタイルの上撮影を行っています。
気持ちのいい昼下がり。
誕生日当日にやって来てくれた赤ちゃんは、寝起きスタートで、それはそれは泣いてしまってママから離れられませんでした。
大泣きをして赤くなった目からは涙もこぼれて、そんな我が子を優しく抱くママと、寄り添うパパの姿をなるべく遠くから撮影していきました。
ちょっとだけ落ち着いたところで、我が子大好き!が体いっぱいに溢れているパパにもできれば抱っこしていただいた写真も残したいなぁと思いながら、どんな姿だったらパパの方にいけるか考えた末に、きっとおうちでもやっているのではないかと、ごろーんっと横に寝てもらい、ゆっくりとママからパパへと赤ちゃんを移動してもらいました。そーっと。そーっと。
一度はパパとの2shotにしようかと思ったところでしたが、ちょうどママの見守る視線が目に入ったので、その場にいていただき、今度はママがパパと赤ちゃんを見守る側で撮ろうと決め、全体をふと見た時に三人の姿がつながりそうな予感がして、ちょっとだけ調整しました。
離れていても、つながっているように。
ある程度その場が決まっていたのもあって下のライン、三人のラインを見た上であとは自分自身が足を使い動いて、最後に少しだけパパに足を折っていただきました。
なるべくさりげなく。
ぎりぎり泣かなかった赤ちゃんは、遠くから若干近づいてしまったわたしに気がついてしまったのかずっとこちらを気にしてしまったのですが、そんな赤ちゃんの視線にパパとママは相変わらずに微笑んでいて、その空気感がなによりもありがたく、残したいと思った瞬間でもありました。
いつも、最後は気持ちに辿り着きます。
1年経った時は、どんな姿になっているかな。
10年経った時は、この写真を見て喜んでくれるかな。
どんな撮影も特別ですが、特に赤ちゃんの撮影においては特別なものを感じます。
人生において、これだけ泣く時期はないかも知れない。
これだけ抱かれる時期もないかもしれない。
過ぎてゆく時間だからこそ、大切に。
いつも写真を撮りながら、いつかのことを想像しています。
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