フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

男子

投稿日:2012/4/30

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中学一年生の彼にカメラを向けても、まったくレンズから目をそらさずにじっと見てくる。
「モデルみたいだな。モデルになりたいの?」と聞くと「なりたい」と教えてくれた。
そして「卒業記念にはじめて親の許可を得て、友達だけでディズニーランドに遊びに行った」とも教えてくれた。
最近まで小学生だった彼は、自分の将来に対する夢や期待があり、自分で人生を楽しむという意識を発見し、エネルギーがあってとても好きだ。
望遠レンズでぎゅぅぅぅぅっと握りつぶしたような距離感と何気ない会話によって、カメラマンと被写体との関係も圧縮される気がする。
人の視線というのは苦手だが、圧縮されたファインダーに写った自信に満ちた彼の真剣な目はカメラマンに良い緊張を与えてくれると同時に「あなたの能力はどのくらいなのか?」と良い質問を投げかけてくれる。
良い答えを出そうと私はあらゆる写真を構成している要素を一つ一つに「これで良いのか?」と問いかけシャッターを切り、自分の限界を知る。

 

 

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