「写真に残すことには、かけがえのない意味がある。」

 

Photo/Write.Sacchan
Coordi.nonchan

 

大人になってから、写真を見返すことが増えてきました。
特にこの仕事に就いてからは、自分の幼い頃の写真をふと見たくなることがあります。
どんな表情をしていたのか、どんな幼少期を過ごしていたのか、どんなことが楽しかったのか。

 

今、子供たちの「かけがえのない瞬間」を撮るという仕事をしているからこそ、
写真に残された一瞬が、どれだけの愛情や時間を映し出しているのかを実感するようになりました。
私たちの毎日は、思っている以上に早く過ぎ去っていきます。
子供の成長は特に早くて、昨日できなかったことが今日にはもうできるようになっていたり、

見慣れた表情が少しずつ大人びてきたりします。

 

その「今」を記憶にとどめておくのは難しくても、写真という形でそっと残しておけば、その瞬間にまた触れることができます。
何気ない日常のひとこま、ふとした笑顔、目の輝き、手の小ささ。
それらは後になってこそ、どれほど愛おしく、尊いものだったのかに気づかされます。

写真は、ただの記録ではありません。
「こんなふうに過ごしていたね」「こんなにもあなたを愛していたんだよ」と、
未来の自分や子供に静かに語りかけてくれる、小さな宝物なのです。

だからこそ、飾らず、演じず、その子らしい「今」の瞬間を、やさしい自然光の中で丁寧に切り取りたいと思っています。

写真を見返すたびに、

「ああ、こんな表情をしてたな」「この時、こんなふうに笑ってたな」と、

ふと心がほどけるような温かい気持ちになれる——

 

そんな一枚を、そっと残していきたいのです。