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自然光もアンティーク家具もドライフラワーも、彼を主役にするために生まれてきた。

投稿日:2025/8/12

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男の子は、少し背伸びをするように立っていました。
顎をわずかに上げ、目線は大人の真似をするように鋭く、それでいてどこか照れくさそう。
その表情には、子どもらしい柔らかさと、大人になろうとする意思が混ざり合いこれからの成長が頼もしい表情をしていました。

背景には、深い色合いのアンティーク家具。
磨き込まれた木目は、長い年月を静かに語りかけてくるようで、その存在感はまるで舞台の重厚なセットのようです。
家具の中には、紫のドライフラワーがそっと飾られています。
乾いた花弁は光を受けて微かに透け、色だけが時を超えて今に息づいているかのようでした。

そして手前にも、同じ紫のドライフラワーを前ボケとして配置。
その柔らかな輪郭が画面に奥行きを生み、まるで香りまで閉じ込めたような空気感を演出します。
家具の奥と手前、そして背景全体に漂う紫の気配が、被写体を包み込み、優しく引き立てます。

この日、最も頼もしい演出家は自然光でした。
窓から差し込むやわらかな光は、少年の顔の輪郭をくっきりと描き出し、頬の丸みや髪の一本一本までも美しく映し出しました。
光はまた、スーツの生地を優しく撫で、その質感—ウールの温もりやボタンの艶—を際立たせます。
家具の木目やドライフラワーの繊細な影も、自然光の変化によって生き物のように息づいていました。

構図は、家具と花が少年を囲むように配置されています。
アンティーク家具の落ち着いた色味と、紫の花の穏やかな彩り。
その中に立つ少年は、不思議なほど生き生きとして見えます。
家具や花は決して主張せず、むしろ彼の存在感を増幅する背景音のようでした。

カメラを構えると、彼は少し緊張しながらも、こちらの「かっこつけてみようか」の一言に反応します。
肩の力を抜き、顎を引き、視線を外す。
その瞬間、アンティークの静けさと、少年の瑞々しさが同じ画面に並び立ち、強いコントラストを生みました。
時間を閉じ込めた家具やドライフラワーの中で、彼だけが動き出しそうなほど躍動している。
その対比こそが、この一枚の魅力です。

自然光が家具の温度を映し、紫の花が柔らかく空間を染め、少年の存在がそこに呼吸を与える。
静と動、落ち着きと生命力が同じフレームの中で出会う瞬間。
それはまるで、古い楽器が新しい旋律を奏で始めたような、静かな高揚感を孕んだ光景でした。

自然光もアンティーク家具もドライフラワーも、彼を主役にするために生まれてきた。

 

Photo by Chiba
coordinator by Okada
writing by Chiba

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