赤ちゃんの成長は驚くほど速く、昨日まで着ていた産着が窮屈に感じるほどのスピードで進んでいきます。
なかでも、生後28日目までの「新生児期」は、人生において最も変化が激しく、かつ神秘的な時間です。
ライフスタジオ仙台泉店、榴ヶ岡店では「ニューボーンフォトプラン（生後10日〜30日）」があります。
ニューボーンの期間が設定されているのには、深い理由があります。

生後10日を過ぎる頃、赤ちゃんは外の世界に少しずつ適応し、肌には透明感が宿り、眠りの合間にふとした表情を見せるようになります。そして30日までの日々は、胎内の記憶を全身に留めた「小さな命」。この1ヶ月というマイルストーンを丁寧に切り取ることが、その後の育児を支える「心の拠り所」となるのです。

本当に本当、今しか撮れない記録

 

 

「　生命力　」を最も感じた

Photo by CHIBA

 

 

先日、私の知人家族に新しい家族が加わりました。生後１週間の頃でしたニューボーン黄金期の中での撮影です。

今回、インテリア装飾を排し、シンプルに徹したセットをご用意。
背景は質感豊かな1枚の布。赤ちゃんには、呼吸を妨げない程度の簡易的なベビーラッピング。そこにLED1灯をサイドから低く配置し、彫刻的な陰影を作りました。

設定は SS 1/100、ISO 640、F 4.0。

この数値は、単に明るさを確保するためだけではありません。肌のきめ細やかな階調を損なわず、かつピント面にしっかりとした意志を宿すための選択です。

静寂の中、シャッターを切ったその瞬間、奇跡的な1枚が生まれました。 深い眠りの中にいた彼が、突如として小さな拳を高く掲げたのです。
溢れんばかりの生命力が声と共に伝わってきました。

ママさんは、カメラに映し出されたその「力強い拳」を見て、思わず笑ってしまっていました。

生後10日目。まだ自分の名前すら知らないはずの命が、これほどまでに雄弁に「私は生きている」と語りかけてくる。その事実に、深く感銘を受けていたのです。

仙台という地で、多くのご家族がこの「10日〜30日」という期間にシャッターを切る理由。それは、お宮参りや100日祝いとは異なる、もっと根源的な「生命の誕生」への畏敬の念を形にするためではないでしょうか。 今回の撮影は、単なる知人の記念写真を超え、一人の人間がこの世界に根を下ろしたという揺るぎない証拠を刻む、神聖な儀式のような時間となりました。