七五三の撮影において、男の子の静かな強さと成長の輪郭を、より印象的に残す方法を模索していました。

今回私たちが選んだのは、床の鏡面反射とスヌートによるライティングという、シンプルながらも技術とこだわりを凝縮したアプローチです。

 

写真は縦構図で、上下をちょうど二分割するように設計された日の丸構図です。

構図の中心には主役の男の子。その足元には、まるで静かな湖面のように、もうひとりの「彼」が反射として佇んでいます。この反射を単なる装飾ではなく、実像と対等に扱うことで、写真全体に独特の緊張感と静けさをもたらしました。

 

 

そして、彼の存在をより立体的に浮かび上がらせるため、ライティングにはスヌートを使用しています。空間全体を照らすのではなく、あえてピンポイントに光を当てることで、背景を抑え、主役だけに集中した視線を導いています。床の反射を活かすためにも、この限定的な光の演出は非常に重要でした。

この一枚は、構図もライティングも、どれもシンプルに見えるかもしれません。

しかし、だからこそ一つ一つの判断に意味が宿ります。構図の中心、光の落ち方、反射のクリアさ――どれも細部にまでこだわって丁寧に仕上げました。

とてもシンプルでありながら、自分としては強い想いを込めて撮影した一枚です。技術と感性の交差点のようなこの写真を、私はとても気に入っています。

Photo By CHIBA