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『 リアル 』

2020/8/20

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photo : Masashi Kuroki|coordi : Izumi Saito

No.24 Life studio Shonan

 

 

 

いつの日か、2020年は誰しもが例外無く「激動の一年だった」と言っているでしょうね。

でも、今はまだ「だった」ではなく、現在進行形でもあります。

今年の始めから色々なものが止まり、無くなり、変わってきています。

一方、そんな事はお構いなしに止まれないものもあります。

新たにあがる産声。それはその「時」を選べません。

 

でも大丈夫。

産声をあげた瞬間、家族が包んでくれるから。

 

そんなことを思いながらファインダー越しに彼らを見ていた時、自分もある時代に生まれて始まったんだよなと、ふと思ったりしました。

私が生まれた年はこんな事があったみたいです。

イギリスのエリザベス女王が初来日

山陽新幹線全線開通

読売巨人軍、球団創設以来初の最下位

ペヤングソースやきそば発売      等々。

 

誰もが自分の意志などとは関係なく人生が始まります。

始めるではなく、始まる

こういった神秘的な話しの流れになると私の最も興味のあるジャンルなので話しが脱線はおろか宇宙に飛んで行ってしまいそうなのでやめるとしましょう。

 

そうは言っても、生命が神秘的なものである事には変わりはありません。

ですがそれを「記録」として写真に残すことで人は現実、いわゆる「リアル」として受け入れます。

そういった人生という神秘をリアルにするために日々、家族をフレーミングしています。

そして私自身が第一優先に置いている心がけがあります。

それは「この家族だからこう撮った」という写真になるように撮る。という事。

例えば、「おしゃれに」とか「かっこ良く」とか「ファンタジックに」などのご要望があればもちろんそれに徹することもありますが、そうじゃない場合、「この家族だからこそ」をひたすら摸索します。

撮り手とすれば今言ったようなおしゃれであったり、かっこ良くであるようなことを全て網羅しようとしてしまいます。

しかしながらそれは時に、心のブレを生じさせこの家族だからこそを薄めてしまうことにも繋がり兼ねます。

だからこそ私は「この家族だからこそ」を第一優先に心がけているわけです。

 

そしてそれは心がけだけでは成らず、核心を持てなければ意味がありません。

核心と言っても私の中での核心なのでもちろん正解か否かは分かりませんが核心無くしてシャッターは押せません。

 

その核心に繋がる情報は彼らがスタジオに入ってすぐに転がっていました。

この日、パパさんは来られませんでしたが子供たちは私からすれば懐かしいもので遊び始めました。

それはキン肉マン消しゴム、いわゆる「キン消し」です。

そしてそれは紛れもなく当時のものでした。

さらに話し出せば、私が小学校の時に流行っていたアニメ「聖闘士星矢」の話。

読んでいたのはコロコロコミック。

全て小学生だった頃の自分の必需品です。

二人が持って来たキン消しはパパさんが子供の頃に持っていたもの。

そうです、私はパパさんと同世代でした。

だからなのか彼らのユーモアとひょうきんな感じはとても親しみやすかったのを覚えています。

そんな二人をほのかな笑顔で見つめるママさん。

撮影を進めていくほどに私の中での「この家族だからこそ」の核心が像となって現れました。

 

みんなでたくさんの話しをしながら彼らの日常を思い浮かべ、新たな生命という神秘をリアルに残すためにシチュエーションは少し神秘的に、でも彼らはリアルに。

そして彼らが大きくなってからお父さんお母さん、そして弟と一緒に写真を見た時に懐かしさとリアルが増幅するようにフィルムのような描写で。

 

 

 

私が出来るのはここまでです。

ここからのストーリーは家族みんなで作って行ってください。

 

 

 

もう間もなく、「今」に負けない元気な産声をあげることでしょう。

「今に生まれて、そして今を生きて良かったんだ」と思えるように生きて行って欲しい。

その始まりの証明として「写真」が力になれれば幸いです。

 

 

 

Written by Masashi Kuroki   Shonan

 

 

 

                                            

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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