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関係性と技術〜横写真の撮り方〜

投稿日:2021/7/26     更新日:2021/7/27

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Photo by Volvo

Codi by Moriya

 

 

横写真について相談を受けることがよくあります。

相談内容でよくあるのは「整理することが難しい」というものです。

そうした写真をよく見てみると、多くの写真の撮り方からは「構えてから考えている」ことがどことなく見受けられるようでした。

厳しいことを言うようですが、残念ながらカメラを目の前に構えてから「どこまで入れようかな」と考えている人には良い写真を撮ることはできません。

なぜなら横写真は映る情報量が縦に比べて多いので、そのような撮り方では絶対に整理が間に合いません。

そんなことをしている間に子供たちの決定的瞬間は逃げてしまうでしょう。

 

「横写真は、縦写真よりも丁寧に撮影する必要があります」

 

何を丁寧にしなければいけないか。シンプルで当たり前ですがこの二つです。

1:光(明暗差)

2:フレーミング(何を入れて、何を入れないのか)

 

良い横写真を撮るためには、最低でもこれらの事はよく練られたものである必要があります。

この写真で言うならば、被写体にはこれ以上ない光が当たっています。これだけでも良い写真になる確率は格段にアップしますが

左半分に影をつけることでより強調されます。

フレーミングのポイントは、彼の上にある窓の線、左の柱、下はレンガの切れ目を一つの区切りとして取り入れます。

これくらいは写真を撮る上で当たり前ですね。縦写真だってそうです。

 

ここまで練っても横写真がうまくて撮れないのは、こうした光やフレーミングの決定を「いつ」しているかにかかってきます。

ようは物事を決定する順番の問題です。

うまく横写真が撮れない人の特徴は「被写体に集中しがち」な人が多いように思います。

冒頭でも話したように、子供たちは元気の塊ですから、彼らの動きに合わせてフレーミングをすることでは良い横写真は生まれません。

事前に光もフレーミングもチェックをして、全てを決定してから被写体である彼らにアプローチをかけるのが冷静さを失わない方法です。

 

つまり、子供たちの決定的瞬間を逃さずにかつ整理された写真、いわゆる良い横写真を撮るためには

「フレーミングと被写体は切り離して別々に考える」ことが必要だと考えます。

 

彼とはもう何度も一緒に撮影を楽しんでいる仲です。

来店してすぐに私のよくわからない名前を疑いもせずに呼んでくれ、お姉ちゃんと一緒に最初から最後まで撮影を楽しんでくれました。

彼の出番がやってきて、コーディネーターのようちゃんは彼の天真爛漫でらしさが十分に発揮される条件を揃えてくれました。

多分、どう撮っても可愛かったでしょう。でもそれを2倍、3倍にするには技術が必要です。

 

彼に、この位置についてもらうことをお願いし、彼が移動してる間に私はカメラを目から外し少し周りを見渡します。

時間的な事か、季節的な事かははっきりわかりませんが、テラスの手前と奥で明暗差が生まれていることを知り、横写真を画策します。

フレーミングも決定し、もうカメラを動かすことはありません。あとはシャッターを切るために彼に一声かけます。

 

どのような動き(ポージング)をしてもらうことが自然で彼らしいか。

この時に考えたのは「手を伸ばせば取れそうなもの」でした。

「ジョーロ水入ってるから」なんて言いながら彼の興味を誘います。

 

自分が最も彼らしさが出ていると思った瞬間に、シャッターを押します。

光やフレーミングには悩む必要がないので、彼の動きに集中することができます。

 

よく、写真の話をする上で技術とパーソナルな部分を分けて話す人がいますが、全く間違ったアプローチだと私は思っています。

横写真ひとつをとってみても、これだけ技術的な話をしながらも最終的には被写体をどれだけ知っているかが写真の質を分けます。

私と彼の関係があるから撮れた横写真だと思いますし、写真ってそう言うものですよね。

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