赤ちゃんが眠りました。
その時、フォトグラファーはどう感じるでしょうか。

①やばい、バリエーション豊かな85カットを残す前に眠ってしまった。
②赤ちゃんは眠ったのだな。

私は、②です。

では、質問を変えます。
赤ちゃんが眠りました。
その時、誰でもないあなたはどう感じるでしょうか。

①眠ったな。
②・・・他に何かありますか？

①の先に色々浮かびます。
眠った顔が可愛いこと。
伏せた睫毛が長いこと。
頬の産毛が、キラキラ光っていること。

またお母さんは何を感じるでしょう。

スタジオにいるときは
「どうしよう眠っちゃったよ！笑顔が欲しかったのに、全部寝顔かな」
「カメラマンの人困ってるかな」
「起こしたほうがいいのかな」

これがお家だったら
「眠った、可愛い天使」なのに
スタジオになった瞬間眠った赤ちゃんに対してみんなが焦るのはなんでですか？

私は、眠っている時は、眠る理由があると感じます。

眠る理由は、眠いからでしょう。
それ以外何かありますか？笑

眠った赤ちゃんの足を支えて
そばにいた息子を呼びました。
ここに、ママの大切な指輪を載せて欲しい、と。

息子は震えるほど緊張しながら指輪をのせてくれました。

綺麗な綺麗なダイヤモンドでした。

光はシンプルです。
ナチュラルライトが後ろからさしています。
本当に美しくカットされたダイヤモンドは、
綺麗だなぁ、と惚れ惚れしました。

眠っている赤ちゃんを撮影しながら

私はあなたが眠っていてもいいよと心で言いました。
そう言えるフォトグラファーでありたいのです。

あなたは、あなたでいい。
ダイヤモンドが綺麗なように、あなたはそのままでキレイ。
ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨けないというけれど
人を磨くのもまた人しかいないと思います。

そして、人を輝かせるのもまた、人であってほしい。

人を美しく撮影できるのもまた、人でありたい。

そういう気持ちが、伝わりますように。

 

photographer：mari
studio:Toyokawa
coordinator：momone
help coordinator：Nayuta