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彼女が そこ に居る意味を

投稿日:2018/7/19

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Photo by KATSU

Cordy by kawahara takako

Write by kanasugi mayu

 

「前ボケ」という表現方法には、色んな種類があります。

葉っぱを使ったり、インテリアを使ったり…。

その行為によって、「写真に奥行きが出る」という効果を得られます。

それはつまり、写真に深みを出すためです。

 

この写真では窓ガラスを使って前ボケの効果を出しています。

この表現によって写真にどういう影響が起こるかというと、鏡側のインテリアが被写体の体に重なることで「鏡・被写体・インテリア」という3重構造になるのです。

これは各々の条件が合致しないと生まれない写真であり、そのためこの写真は「この時間の・このインテリアがある場所でしか撮れない」唯一の写真になります。

 

また、鏡を挟み被写体との距離を作ることでどういった効果が生まれるのでしょうか。

私の推測するに、この子は少し恥ずかしがり屋の子ではなかったのかな、と思います。

カメラが接近すると被写体への威圧感も増します。

そのため距離を取り、被写体にカメラを向かせずに、その子の空気感を尊重するようなポージングを指示したのではないでしょうか。

恐らく「本を見て」という簡単な指示だけをすることで、被写体に無理をさせないようにしたのだと思います。

 

そしてこの写真の光は右側の窓から降り注ぐ西日です。

西日というのは日中の光よりも少しオレンジがかっていて、さらに天気のいい日はかなり強い印象になります。

カメラマンはこの西日の特徴を知った上で、被写体の彼女に合うと思い、この場所を選んだのだと思います。

西日は強い光だからこそ、顔にコントラストの強い影が出来、少し硬い印象を与えます。

例えばこれがベビーの写真だったとしたら。

せっかくの可愛らしい・丸い赤ちゃんの輪郭の良さが半減してしまいます。

この被写体の女の子がある程度成長した女の子であるからこそ、コントラストの強い場所に誘導し、大人っぽい横顔を表現しようと考えたのだと思います。

 

そして彼女を誘導する場所も、光が強く当たっている場所ではなく、少し陰の中に入った場所であることがわかります。これがもう少し被写体が左に移動していて強い光が当たる場所であれば、被写体の顔や上半身は強い西日が当たって白く飛んでいたでしょう。

少し陰の中に入ることで、光は被写体にまっすぐ当たる順光ではなく、サイドからの半逆光になります。

半逆光は被写体のパーツを立体的に見せる効果があります。

それによって、鏡・被写体・背景のインテリアという立体的な構造の中にさらに立体感を生むことができます。

 

このような写真は一朝一夕で生まれるような写真ではなく、何度も繰り返し調整をして・挑戦をしているからこそ生まれてくる写真であると考えます。

そしてその表現を確立できれば、ひとつの自分の中のレパートリーとして持って行くことができます。

被写体の美しさを表現する方法はひとつではないからこそ、ライフスタジオのカメラマンは光とインテリアを利用した表現方法を追求し続けるのだと思います。

 

その探究心こそが、お客様を感動させる写真が生まれる、ひとつの要因なのでしょう。

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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