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越谷写真9

投稿日:2012/4/1

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写真が持つ特性のなかで最も大きな特徴の一つに、時間の流れを止めるというものがある。

数十分の一秒から数千分の一秒の出来事とその場の景色を、一枚の絵として落とし込む。これによって、通常人間の感覚では捉えきれない一瞬の物事の有様を私たちは認識できるようになった。競馬の着順を馬の鼻先単位で測ったり、水面に一滴の雫が落ちたあとどのような形状になるのかを観察したり。写真機の登場で私たちは時間の流れの中で今まで見逃していた様々な景色を知ることができるようになった。

本来こうした一瞬の景色は、人間の認識の外にあるか、もしくは潜在的で抽象的な認識にとどまるようなものだ。少なくとも日常生活の中でこのような瞬間を明確に意識することはほぼない。

この写真を見たときに感じる躍動感は二人の被写体の体に複数の条件が同時に発生していることに起因するのではないだろうか。それぞれにいくつもの方向からいろんな力が複雑に加わることで、単純なポーズからなる写真とは受ける印象が全く異なってくる。

Tukiちゃんを見てみると、持っているクマの手に加わるMinamoちゃんが引っ張る力、胸をそらし自分自身の力でクマを引く力。右足は地面からわずかに浮いている状態で尚且つ後ろに体重が傾いている。また、垂れ下がった髪の毛からも崩れた体制を重力が引っ張る力を感じる。おそらくこの次の瞬間には右足がもう数十センチ後ろに着地し、体制を保とうとするだろう。ここから自分の体制を立て直そうとする力も見て取れる。さらには誰かに呼ばれたのだろうか、それとも自分を見て欲しいというアピールだろうか、彼女の視線は画面のこちら側の誰かに向けられている。このような彼女の意識を惹きつける要素も力の一つといえよう。

Minamoちゃんにしても同様だ。右足をつっぱり左足を大きく引いて腰を落とすことで重心を固定する。体重を利用した力は腰、肩を伝わり肘を強く引くことでクマを掴む手に伝わる。そしてクマを伝わった力は反対側の月子ちゃんに伝わっていく・・・。

 

単純に見れば二人の子供、クマ、という3つの要素しかない。しかし、ここに「力」という要素が加わることで、この3つに密接な関係性が生まれると同時に、空間、そして画面の外の第三者という要素までも強く意識させることが可能となる

このような複数の力がまるで一本の紐のようにつながり、画面に密接な関係性を産み出すのは、それこそ瞬きをする間くらの一瞬だろう。

写真は時間の流れを止めることによって、通常肉眼では見ることのできないものまで、私たちに認識させることができる。

 

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