Photogenic
越谷店
越谷写真:21
投稿日:2012/5/3
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七五三。
七五三とは、7歳・5歳・3歳の子どもの成長を祝う日本の行事であり、子ども自身にもその自覚を与えるためのものです。
子供に持たせる千歳飴には、子供が元気によく成長するよう、また長生きするように、という願いがこめられています。
古来の七五三の形は「髪置き〔かみおき〕」、「袴着〔はかまぎ〕」、「紐落し」、「帯解き〔おびとき〕」と呼ばれ、各地各様に男女とも行われていました。
昔は医療・衛生的に未発達で乳幼児の死亡率が高く、成長する子供は幸運とされていました。そのため「七つ前は神のうち」といわれ、7歳未満の子はまだ神に属するものとされ、神がその運命を決めると考えられていました。そこで人々は数々の儀礼を行うことで、子供の無事な成長を祈りました。そして7歳の祝いはその不安定な時期を乗り越えた節目の儀礼であったため、特に7歳の祝いを重視する地方は多かったようです。
髪置きは2~3歳の間に行われ、その日を境にそれまで剃って短いままだった子供の髪を伸ばし始める儀式でした。袴着は3~7歳の子供が、初めて袴〔はかま〕をつける儀式でした。紐落しは5~9歳の間に、それまで着物を留めるのに使っていた紐を帯に変える儀式で、帯解きとも呼ばれました。
主に着物や袴を着て神社をお参りをし、記念の写真を残すのが一般的とされています。
正式な服装は、3歳の女子は肩揚げをした着物に、帯を結ばず「被布」〔 ひふ〕という朱赤のベストのようなものを羽織ります。3歳、5歳の男子は紋つき羽織に仙台平〔せんだいひら〕の袴、7歳の女子は揚げをした本裁ちの着物にかかえ帯です。
ただ現在では子供が晴れ晴れとした気分でいられるよう、疲れない服装、無理のないスケジュールで祝うことが多く、写真を残すのがメインにもなってきているようです。
型にはこだわらなくなってきた現代の七五三ですが、通常の背景紙やストロボがあるような写真館ではない、ライフスタジオでの着物の良い写真とはどんなものなのだろうかとよく考える。
実際自分の七五三の写真は昔なじみの町の写真館で、白い背景にカメラ目線でポーズを決めたもので、それが当たり前でもありました。
この写真が撮られた場所は一階のキッチンである。
ナチュラルな色味のキッチンにちょっと大人なヘッドアクセをつけて色見の強い袴を着たえあちゃん。
小物としてベージュのポット。
そして窓からふりそそぐ優しいお日様の光。
正直、この場所での着物撮影は合わないのではないかという先入観があった。
背景とコーディネートは写真を作り出す上で非常に重要だと認識している。
しかしこの写真が好きな理由はなんであろう。
まず色味のバランスが非常に良く、薄いペールトーンの黄色い背景とストロングトーンの赤い袴から生まれる色味の強弱や露出差と、ちょうどよい自然光の光によって浮かび上がった被写体に自然に引き付けられる。
その被写体は、まだまだ子どもだけれど、ちょっぴり大人になった七歳のえあちゃん。
このくらいの年齢の女の子がふと見せる様々な表情にはなんともいえない魅力がある。
そしてカメラマンの一番の仕事はその表情を多様に引き出すことだと考えます。
着物を美しく写すのはもちろんのこと、着物を着てインテリアの中で成長した姿をどう残してあげることが出来るのか。
そしてインテリアとコーディネートの先入観をなくし、被写体に集中すると見えてくるものがあった。
このえあちゃんの強いけれど儚さも混じったようなまなざし。
瞳に吸い込まれてしまいそうな錯覚さえ覚える。
成長したえあちゃんが見せてくれた、この表情を引き出す力によって、この一枚の良い写真が完成したのだと考える。
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