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越谷店
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越谷写真 28

投稿日:2012/6/21

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卵をひろう子

 

1階の車のある部屋。そのとなりに階段のような床がある。

 

お日様が明るく入ってくるこの空間では、写真をたくさん撮る。しかし、こんな風に階段の段差の所で撮ることは多くはない。階段の上で子供を立たせて、歩いてくる姿を撮ったり、階段に家族全員が座った状態で、家族写真を撮ったり、もう少し窓際に行って移動して、椅子の上に座ったり、立って写真を撮ることも多い。

階段のように段差があるため、まだ小さな子供にとっては少し危ない空間でもある。しかしこの写真のように、目につく写真を作りだせるのもこの空間である。

 

 だまってこの写真を見てみると、子供の動きがうまく表現されているという単純な考えと共に、卵をひろおうと、伸ばした手と足の間に入る光が見えてくる。

この撮影の時、小さな手でたまごをひろう姿をはらはらしながら見守っていたことを思い出す。もし転んで落ちたら大変だと思い、静かに集中していた。

しかし、写真を見ると分かるように、足と片方の手で体を支えながら、ついには片手で卵をひろうのを簡単に成功させた。

 

何がこのようにこの子を動かせたのか?疑問を持つと同時に、状況を作りだし子供の好奇心を刺激させるのであれば単純に。。。あのたまご一つだけでも動作を作りだせるということを学ぶようになった。

 

反対に子供を階段の下に座らせ、上にたまごを置く方法もあったと思う。もしそうだったら子供はたまごをひろうために、階段を登ろうとするだろうし、その時にカメラマンはカメラで撮れば良い。そうなった時でも、子供は自分だけの動作で階段を登り、たまごをひろったことだろう。しかし視線が分散された可能性はある。上に見えるのが、たまご一つだけではないから。。。天井も見えるし前も見えるから視線を他の所に移す可能性があったと思う。

 

実際、この写真は演出されたものではなく偶然撮られた写真だ。子供を階段に登らせようとしたが、たまごが転がってしまい、子供の後ろの方におちた。それと同時に子供が振り向きたまごをひろう動作になったのだ。

 落ちないように片足は立てて、片足はまげて、手の平を開き体に密着させた後に、体の重心をとり、もう片方の手でたまごをひろう姿は、1歳のベビーとは思えないくらい頑張ってくれた。

その瞬間をカメラマンは見逃さず、シャッターを押したのだ。

 

入ってくる日差しにより、窓際は白く見え、中心である子供の顔のラインが生かされ、動作が感知でき、後ろに置かれた物のラインがぽわ~っとぼやけながら絵のような効果を作りだしている。

何よりも、この写真をみながら良いと思った部分は窓際に入る日差しにより、小物から作られた影と、子供の体が作りだした影が自然に見えるということ。自然に写真と調和を成しながら、この写真に明暗を付け加えた一つの部分ではないだろうかと思った。

他の背景が淡くぼやけながら、子供の動きがよりあらわになったように思う。

子供の行動が立体的に動きがあるように見えるのは、この理由からではないだろうかと思う。

 

そして、その次につながる行動を想像することができる。

子供は卵をひろうことができるかな?卵をひろう子供がつかんだまま立てるかな?立って歩くかな?転ばないかな?階段の上に登るかな?下にさがるかな?等々。この次の状況に関心を寄せられるとてもおもしろい状況だ。

 

カメラマンとアシスタントの役割の中で、この子だけの動作を引き出すこと、この子だけの表情を引き出すことが、一番難しいながらも重要な役割だと考えているけれど、この写真を見ながら、この子だけの動きがうまく表現されていてすごく好きだと思った。

 

カメラマンが、こんな写真がたくさん撮れるように自然に状況を作りだす役割をしたい。そしていつかは、私もこんな写真を撮ってみたいという思いにさせた、可愛い写真。

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