越谷写真：33

 

Photo by:adachi

codie by:saitou

 

この写真を見たときとても不思議な気持ちになりました。

白い空間で遊ぶ子どもたち。

子どもたちが思い思いに遊び、楽しいはずなのですが、少し淋しいような神秘的な要素も感じられます。

 

画面内を極限まで整理し、そこにあるものは被写体とひとつのおもちゃのみ。

まず、あえて日の丸構造にしたことで安定した印象を与え、逆光の中で遊ぶ被写体に素直に目が行きます。

そしてこの白い空間の中での露出の差がいくつも重なり、

露出差によって浮かび上がった曲線のラインが近未来的な雰囲気を産み、奥からの光がより一層それを感じさせます。

 

被写体との適度な距離感も、この写真を完成させるために必要だったはずです。

子どもたちを客観的に見て、ひとりの人間として確立させているように思う。

ひとりひとりポーズも違えばしていることも、着ているお洋服も全てバラバラ。

子どもたちが各々見ている視線の先には何があり、何を思っているのかを考える楽しみを与えてくれます。

 

 

見れば見るほど新しい発見があり、面白い一枚。