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【 美しさのセオリー 】

投稿日:2018/7/19

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美しさの定義と解明... 

 

『激しい雨が上がり、道路には水たまりが出来ている。空には7色の虹が出来ており、それが水たまりにも綺麗に反射している。』

 

人が美しいと思う瞬間はどんな瞬間でしょうか。 

いろいろな人がいて、いろいろな感性を持っている人がいるのが当たり前です。 

しかし、「美しい」という感覚はボヤッとしてはいますがある程度、共通に認識していると思います。 

上の文章を読んでどのような情景が浮かびましたか? 

 

 

おそらく皆さん、ある程度共通な情景が浮かぶと思います。 

今回の場合ポイントは「水たまり」と「虹」。それと「反射」です。 

頭の中でこの3つだけ考えてみてもおそらく先ほどの情景と一緒だともいます。 

これは言葉が持つ意味が皆さん、共通に理解しているからです。 

 

それと一緒で、今思い浮かべた情景。「雨上がりの虹、水たまりに反射する空」。 

おそらくそれを、皆さん「美しい景色」と思うはずです。 

それは場所、時間帯が違えど共通して美しい景色と理解しているから。 

 

美しさというのは人間の深層心理からきているのです。 

 

その物が持つイメージや、色のイメージ。はたまた、文字から感じる取れるイメージ。それが共通だから、共通した感情を持てる。 

 

例えば物でしたら「丸い物」。何か一つあげるなら柔らかいとか? 

例えば色でしたら「赤い色」。これは、情熱とか 

例えば文字でしたら「犬」。毛むくじゃら? 

 

 

こう言ったボヤッとした共通のイメージ人というのは最低限持ち合わせています。 

しかし皆さん、たまにこういうのはありませんか? 

 

 

 

『何か説明できないけど何かいい。』 

 

 

 

もちろん僕にもあります。 

しかし自分が”いい”と思った理由がきちんとあるはずです。 

写真もそうです『この写真、なんかいい』と思うこと。 

その”いい”と思ったことを解明するのが僕らが常日頃からしている写真分析です。 

それをすることによってただ良い写真から、理由のついた良い写真に変わるのです。 

 

では今回の写真は何が良いのだろう? 

 

まず色の統一感。 

白をメインとした色合いにすることにより、赤ちゃんの持つ透明感をイメージすることができます。 

色というのはとても大事です。戦隊ヒーローも色である程度イメージされてますよね。 

赤は情熱。青は冷静。黄色はカレー。つまりそういうこと。 

ここで黒のモノや服を着てしまうと黒の持つイメージ。「重い」や「悪」などイメージが写真に入ってしまいますのでNGです。 

青のガラスの瓶や薄い緑の器など邪魔をせず透明感を演出できるものを配置しました。 

 

次にポージング。 

今回の被写体は赤ちゃん。もちろんポージングの指示なんでできません。 

でも赤ちゃんはそこに居るだけで可愛い。でももっと可愛くしたい。 

 

これは困りましたね。 

 

もっと可愛くポージングして欲しい時どうすれば良いか。 

それは「その動作をしそうな物の使い方」。 

ここでのポイントは”その動作をしそうな”です。とどのつまり運ですね。 

「こうやったらこう動くのではないか」という考えからの願望。 

 

今回の場合ですと、事前にママさんからありがたい情報をいただいてました。 

それは”帽子を嫌がる”ということ。 

”頭に帽子をかぶせたら嫌がって取る動作をするのではないか”という仮定ですね。 

結果的に見事に的中しました。 

赤ちゃんのポージングを見てわかるとおり、右手を頂点に右足、左足を結ぶ綺麗な三角形ができています。 

さらに写真全体を見て右手を頂点とする、画面端を結ぶ綺麗な三角形を形成することができます。 

 

 

三角形というのは、人が美しいと思う形になります。 

この形はよく広告とか、建築のデザインに使われており、人間の深層心理から美しいという共通の認識があります。 

これを複数綺麗に作ることによって美しい写真と感じ取れるわけです。 

 

次に前ボケ。 

これは遠近感を作ることができます。 

遠近感を作ることによって奥行きを出し、2Dから3Dへと変化させることが可能です。 

さらには、赤ちゃんがいる世界とこちらの世界を優しく隔てることができます。 

前ボケは写真のクオリティーを上げるための手法の一つです。 

ただ、前ボケにも良い前ボケと悪い前ボケがあり、例えば、この写真で赤の前ボケを使うとします。その場合、一気に統一感が失うことになります。 

こういった、前ボケの選択も大事な一つです。 

 

次にレンズの選択。 

今回の場合は望遠レンズを選びました。 

主に85mm周辺のレンズをポートレートレンズと呼ばれています。 

種類でいうと中望遠レンズあたりですね。 

何故こう呼ばれているかと言うと歪みができるだけ少ないから。 

まず人物を撮る場合”その人がちゃんとその人であること”が重要です。 

85mm以上であれば歪みは少ないと認識いただければ大丈夫です(望遠時の圧縮効果は次の機会に説明します。)

今回の撮影データがこちらです。 

 

 

 EF70-200mm F2.8L IS II USM   

SS:1/125 

絞り:f2.8 

焦点距離:125mm 

ISO:1600 

 

 

仮にここで、標準レンズの「EF24-70mm F2.8L」を選ぶとします。 

テレ端が70mmだと被写体を綺麗に画面内に収めるには少し距離が足りないので自分が近づくことになります。 

ここで問題が発生します。 

実はレンズの特性上、被写体が近づくほどどんどん歪みが強くなって行くのです。 

歪みが強くなるほど、その人がどんどんその人では無くなる。 

そうなると必然的にポートレートでは歪みがない中望遠レンズに行き着くというわけです。 

おそらく、望遠レンズではなく、単焦点レンズの85mmのレンズを使っていただくとわかると思いますがまさにその風景を切り取るような感覚になります。 

それは歪みがなく、建造物や人をそのまま写すことができるからです。 

今回の写真を見ても綺麗に歪みなく切り取られ、さらに背景も圧縮され綺麗に小物も入っていますので予定どおりでした。 

レンズ選びはとても大事です。同じポーズでもレンズが違うだけで違った写真になり、どういうのが撮りたいかをしっかり考えそれにあったレンズを使用することにより写真のクオリティーが大幅に上がります。 

 

こういったたくさんの要素が写真を構成しております。 

何故良いのかを考えることにより、自分の技術、感性を磨くことができそれが楽しくなって行きます。 

皆さんも、何気ない普段の生活の中でふと良いものを見つけたら、「何故良いのか」を少しばかり考えて見てはいかがでしょうか?

 

 

 

 

 

Photo by NIHEI 

Coordi by IKU 

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