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【 いい写真と上手い写真 】

投稿日:2018/8/20

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僕は小さい頃から、写真が好きでした。 

父が使ってた『Canon NEW F-1 』というカメラが僕が初めて触ったカメラです。 

 

写真が趣味の父が、休み日に遊んでる僕を撮っていた記憶がかすかに残っています。 

そんな父を見ているうちに、写真やカメラに興味が沸き、父の目を盗んでカメラバックからカメラを出しては、ボディの上品な光沢感、手にシンと伝わる金属の冷たさ、多種多様なレンズの存在感、その全てが当時の僕でもこれは凄いものだと感じていました。 

 

高校生になった僕は、親から初めてカメラをもらいました。 

それはキャノンのデジタル一眼。父からのお下がりです。 

 

この時の、気分の高揚、高まりは今でも覚えています。 

初めての、自分専用のカメラ。カメラをもらった時の僕は、反抗期を終えたぐらいできちんと素直に「ありがとう」とは言えませんでした。 

しかし、父もそれをわかってくれたのか、一言二言交わし、部屋を出て行きました。 

父がドアを閉めた瞬間、一気に自分専用、自分だけのカメラという現実が押し寄せて来ました。心音が早くなり、血を身体中に駆け巡らせる。

その血の中に、まるで沢山の小さいカメラやレンズが入ってるんじゃないかというくらいにカメラを貰ったという衝撃が身体中を巡りました。 

 

そこからさらにどっぷりカメラや写真が好きになり、今こうしてカメラマンをしています。 

 

 

 

 

少し、前置きが長すぎましたね。 

 

 

 

 

今回の写真につけたタイトル 

 

「いい写真と上手い写真」 

 

似たような物に見える人もいれば、全く違う物と捉える人もいます。 

それは当たり前です。このタイトル自体が抽象的ですから。 

 

僕はこう思います。 

 

 

いい写真=技術がなくても撮れる写真 

 

上手い写真=技術があれば撮れる写真 

 

 

これだけ見ると、上手い写真が良いと思いますが、しかしそうとは限りません。 

そこが写真の面白いところ。 

写真というのはその人の、生い立ちや、その時の考え。被写体への内面的な距離。全てを合わせて一つの写真になります。 

 

ですから初めてカメラを手にした人の偶然撮った写真が、万人を感動させる名作となる事も有り得るという事です。     

 

僕たちは、写真撮影を生業としているプロのカメラマンすが、被写体と内面的に近いパパやママが撮る写真は本当にすごく素晴らしいです。 

被写体の子が本当に緊張なく、屈託のない笑顔を見せるのは両親の前だけ。

いくら僕たちが遊びながら撮影するスタンスで緊張をほぐし、笑顔を出して撮ってようが内面、心のどこかしらに緊張という二文字が残っているはずです。 

なかなか、自分をあらわに出来ない子はそれが時として、笑顔を出しているが、素の笑顔とは違うようだったり、急に涙という形で現れてきます。 

必ずしも、緊張がないという状態はないのです。 

しかし、それが両親の前だと、素の状態で居られる。それを撮ると「いい写真」になる訳です。 

 

反対に僕たちは「上手い写真」が多いです。 

技術面で写真の質を上げています。他のフォトジュニックの写真をみるとわかるように技術面の事が書いていると思います。 

構図とかシャッタースピードとか絞りとか。こういった基本の技術。

学べば習得できる技術でクオリティをあげるために、日々の写真分析や、学習などしています。 

 

僕は「いい写真」を目指してその撮影にベストを尽くしています。 

今回の写真は「上手い写真」ではなく、「いい写真」よりに撮れた写真です。 

 

基本の技術的なことはプロなので当たり前です。 

今更なので絞りやシャッタースピードなどのEXIF情報は書きません。この写真に必要がないから。 

技術的な事だけでなくそれ以上に何かいい。そう感じる写真。 

説明できない何か。 

説明できない事を説明できる写真。 

そいういった写真が増えることを切に願います。 

 

 

 

この投稿を通して、何が言いたいかというと、パパさんママさん、お子様の写真を撮って現像してください。 

携帯でも、インスタントカメラでも何でもいいです。 

僕たちが簡単に撮れない写真を沢山残していってください。 

 

僕もたまに、父が撮ってくれたアルバムを見返します。 

垂直水平もなっていないし、見切れている。ちょっとブレてるし、しまいには僕の後頭部しか写っていない。 

しかし、「いい写真」なのです。 

 

当時の僕がありのまま写っています。 

父のその時の、生き方を写しています 

 

 

父が僕を撮ってくれたカメラ「Canon NEW F-1 」。今は僕がそれを使っています。 

そのカメラを譲り受けて、一番初めて撮った被写体が、父になります。

 

 

 

親から子へ、子が親へ、そうして時代は流れていきます。 

 

僕も子供ができたら休みの日には、写真をとり父が感じていたことを肌で体感したいです。 

そして子供もいつかカメラをもらい僕のような感覚を受けてくれればと思います。 

 

親の気持ちを知り、プロの心を持つ。 

その瞬間、何かが生まれる気がします。 

 

 

今なら、言えます。 

 

 

 

 

お父さん。ありがとう。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Photo by NIHEI 

Coordi by TOSHI

 

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