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読書⑪『引き出す力』宮本亜門著を読んで

投稿日:2012/10/24

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『引き出す力』

奉仕型リーダーが才能を伸ばす    宮本亜門著を読んで

 

Mikiko

 

 何かいい本はないかなと、ふらっと書店に立ち寄ると、NHK出版コーナーの処にあったこの本のタイトルが目に飛び込んできた。“奉仕型リーダー”多分この部分に無意識に吸い寄せられたのだと思う。

―宮本亜門―。多彩な演出家として、この人の名を日本で知らない人はほとんどないだろう。

そんな彼もかつては、リーダーとは、「選ばれし孤高のリーダーたる資質やスキルで、新たなビジョンを明確に提示しすべての指示を出し、皆を統率していくものである」と思い込み、失敗を繰り返したという経験があるという。そればかりか学生時代にはひきこもりも経験するという位、コミュニケーションに悩むほど話べたであったという。

リーダーのあるべき姿について日々悩んでいる私には救世主のようにこの本の内容が輝いて見えた。

宮本亜門が頭に描いていたリーダー像というのは、今まで、日本の中で誰もが思い描くリーダーの姿であったと思う。そしてまさしく私もその通りに考え、到底そうなれそうもない私にリーダーという肩書だけが重くのしかかっていた。

演出家になりたての頃、彼はその思い込みによるリーダー像を実践し結果失敗している。

それは、まったく『自分らしくないリーダーの姿』だったからだと自身で分析している。

演出家として今最も信頼され、日本を代表する演出家としての地位を築いた彼。

彼は今、自分のリーダー像を、こう定義している。

「奉仕する人=サーバント」

宮本亜門の最大の目的は、役者やスタッフが最高に輝き、観客と一体となって高みに登っていく瞬間を共に創るためのサポートをすることである。彼らを上から統率することではない。

その姿は、統率者よりむしろ、奉仕する人=サーバントである。と自身で述べている。

“役者やスタッフが最高に輝き、観客と一体となって高みに登って行く”このフレーズは、撮影を共に体験、共有し皆で笑い、感動しながらモニターをする、ライフスタジオでの私たちの姿とだぶりはしないだろうか。

彼は、あくまで舞台初日に向けて、役者やスタッフの良さを引き出す舵取りを目的とし、出来る限り、関わる人が力を最大限発揮しうる環境をつくり「あ、こんな考え方があるんだ」「こんな発想がある」「こんな演技が」「こんな感動が」といった喜びが次々生まれるようなワクワクした創作現場にする事であるという。

もし「統率」という事だけを考え、自分の色だけですべてを染め上げようとしたら、最も大切な人々の豊かな才能を見失い、創作現場がかたよったひとりよがりのものになってしまう。

何が大切であるか、それは全員と対等な立場であるということ。

役者が地べたに座り込んだら、自分も机をどけ、地べたに座り、役者と同じ目線にし、同じように考えを分かち合う。

彼の役割は、あくまで舞台初日に向けて、役者やスタッフの良さを引き出す舵取りであるという。

これは仕事に対しても同様ではないか。

彼はこうも言っている。

人間の為に、人と人の幸せの絆の為に、いろいろな仕事があるのではないか。理想の仕事場とは、お互いがオープンに、対等な立場で話し合い、誰かがトップダウンで指示するのではなく、共に考え、お互いに同じ目標に向かっていくような場所の事だと思う。そこで次々と新たな創作を共に生み出す。人間の創造力には、無限の可能性があるのだとすれば、無限大の可能性が試される。もしくは試してよい場所、それが創作現場=会社なのである。と。私は彼のこの考えに心から同意する。

私達は、日々本を読み、自分の考えをまとめ、それを著し、討論をしている。日常的な会話にも自分たちの進むべき道を探るいろいろな問答が行われている。時には楽しくそして真剣に。

それは、「撮影」という「舞台」の為に行う日々の努力である。

私はその舞台の為に、誰しもが自分の意見と考えを持ち、発言し、表現できる場を作りたいと願っている。それが今の等身大の私にできるリーダーとしての仕事だと思っている。おなじ地べたの上で一緒に悩み、考え、笑いたい。

共に歩めるリーダーでありたいと今は考えている。

育ったスタッフ達が今度は又人を育てていいける場を私は作るために今ここにいる。

近い将来、有給のリーダーとなっても、心はいつもスタッフと共にありたい。

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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