「パパとボール遊びしようか！」

 

彼女はどこか大人びた、落ち着いた雰囲気の女の子でした。

 

私はいつも、その子の”らしさ”をどう引き出すかを考えています。

どんな言葉、行動が響くのか。

どんなきっかけで、その子らしい表情が見られるのか。

ある時は思いがけずハマって、 ある時はまったく届かなくて。

「えっ、それが効いたの⁉︎」 そんな驚きがあるから、この仕事は面白い。

 

 

この日も、彼女はどこか緊張をまとっていたけれど、 畳のセットに移ったとき、

少しでも体を動かしてほしくてボール遊びを提案してみたんです。

 

すると、ふわっと空気がやわらいで、 彼女の顔にちいさな笑みが浮かんだ。

それから、ウキウキした気持ちを隠せないように、体を上下にぴょんぴょんと跳ね始めて。

 

その姿を見たとき、

 

 

「ああ、今だ」と思いました。

 

 

彼女が向けた視線の先は、安心できる居場所。

 

そのつながりを、春の桜越しにそっと覗き込むように撮った一枚です。

 

ただの笑顔じゃない、 その子が”自分”になった瞬間。

まるで光が差し込んだみたいに、 本当に、彼女が輝いて見えたんです。

 

そのあとは解放されたかのようににこにこさんでした^^

 

 

photo ＆ write：sawano

codi ：kanna