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草加店
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「成長する写真」

投稿日:2016/10/7

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photo by Choi Eunpyo
Writer by Takumi
子どもの成長は大人の僕達とは比べ物にならないほど早いように感じます。
洋服だけを見てもそれは良く分かります。ライフスタジオでは基本的に80cm~120cmまでのお洋服をご用意しています。ぼくは洋服を作るときに1年でプラス10cmを目安にしています。
1歳は80cm、2歳は90cm、3歳は100cmと大きくなってきます。
それを思うと一年での子どもの成長は恐ろしいものを感じます。ぼくは1年前と比べてそんなに大きくなれただろうか、比べると恥ずかしくなってしまいます。
体の大きさももちろんですが、精神面も比例して成長します。
1歳の時はドンピシャだったはずの「いないいないばぁ」は2歳になる頃にはもう「なにそれ?」と効き目をなくします。
5歳になる頃にはもう会話の中で笑顔を引き出すように撮影をしていきます。それはもう大人を撮る時とまったく同じ方法で、笑いのセンスまで求めてくるようになってきます。
まったく恐ろしいことですね。
「男子三日会わざれば刮目して見よ」という言葉があります。
意味:人間は3日も鍛錬をすれば見違えるほどに成長するので、目をこするくらいしっかり見なさい。
という意味のある言葉なのですが、まさに日々遊びの中で成長する彼らのことのようですね。
この写真を見たときの最初の感想は単純に「かわいい!」でした。
でもじっくり見ていくうちに写真の中、つまり静止した時間の中にいるはずなのにそこに時間の動きを感じ、彼がどんどん成長していくような錯覚を感じました。
それは大人な洋服のせい?爽やかなハニカミのせい?となんだか興味がわいてきました。
 
まずコーディネートを見てみます。
洋服は白いシャツに茶色いカーディガン、パンツは黄色で靴は柔らかい生地で出来ている薄茶のもの、そこにうるさすぎない黄色のストールと灰色のハットを合わせています。
全体的に色合いを茶色であわせていて季節感が出る、
この優しい色とやわらかい素材でまとめてあるコーデは彼のまだ幼さを感じる丸い輪郭に良く似合っています。
彼の格好は普段着のようでそうではない印象を受けます。それは彼の年では到底着ない服装のせいでしょう、つまり少しおませさんなコーデになっているのです。
 
次にポージング、
車に背中を付け、ゆるく楽な体勢で片足をまげて、りんごを持ちながら横から狙っているカメラに手を向けています、簡単に言うと力が抜け切ったとても自然なポージングです。
きっと指示としては「ここに背中付けといて」と簡単なものだったと思います。
それをここまでリラックスした体勢にしたのは彼自身だと思います。
つまり僕らの指示を彼なりに表現した、真に自然なポージングと言えます。
 
次に光です。
草加店は中央から見るとバックから、サイドからとたくさんの光の回る店舗です。
この写真で彼が立ってる場所はメインルーム中央にある車の前タイヤ付近です。
ここは後ろ窓からの大きな逆光と、少し後ろから来るサイドの光が当たっています。このままでは光ってない部分の頬が暗く落ちるか、背景が飛びすぎてしまいます。ですが、草加店は光の回りやすい店舗なので、幼さを残すやわらかい肌の質感を表現できています
 
最後にこの写真の他と違う芸術的なポイントはまずこのフレーミングだと思います。
写真の外側が茶色くぼやけて全体を囲んでいます。これは草加店にある小さな窓枠を前ボケとして利用しているためまるでおしゃれなフレームにはめたように写真に深みを出しています。
そしてそこから「あの頃の思い出」というような感覚を覚えさせます。
これがもしかしたら導入で話した写真から時間を感じたトリックなのかも知れません。
 
今年撮りに来てくれたこの子もきっとまた来年には10cm大きくなっているでしょう。
可愛いままでいてと、わがままを言いたくなりますが、大きくなった姿を見せてくれるのは楽しみでもあります。
彼がひとまわり大きくなって遊びに来てくれるまでに僕も男としてひとまわり大きくなって待っていようと思います。
 

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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
人を、人生を写しています。

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