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草加店
scrollable

社会的認識と観念形象の統一を形にする。

投稿日:2017/6/2

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Photo & Written by Kotaro Yatsu


思想とは何でしょうか。
 
『哲学の現代的意識』には、一方に於いて社会的認識であり、他方に於いて文学的な観念形象という2面性を統一したものであると書いています。
 
では、思想を形象化するとはどういうことなのでしょうか。
 
思想を形にする意味を持つ形象化という言葉には、こういった2面性のある思想をまず理解し、更に思想と思想の統一を図ることで、初めて形象化されたと表現することができるのです。
 
 
まずは、草加店のインテリアが持つ思想について分析してみようと思います。
 
草加店は、Forestというインテリアに、神秘的という表現を付け加えました。
これは社会的認識であるForestと、文学的な観念形象である神秘的という2面性が存在することになり、草加店という空間は、確かな思想をもとに作り上げられた店舗であることを意味しています。実際に視覚的受けるイメージも、室内に樹木を作り、いたるところに緑を配置することで、人工物と自然の融合性を表現しています。多くの人は、ここが緑や森をイメージして作られた情報を自然とキャッチすることができるはずです。
 
次に神秘的という文学的な観念形象が指すものを、どのように受け止めればいいのでしょうか。
そこに、私たちカメラマンが挑戦すべき姿勢が見られるのだと思っています。
 
神秘的たる所以は、草加店の特徴である光線だと思っています。
木漏れ日のように、日差しがあふれることで、森が持つ神秘的な雰囲気が形成されます。
また、一般的に前ボケには様々なものが使用されますが、モヤの様なものや、植物をバランス良く配置することで、森と神秘的という表現を、文学的なものに昇華することができるかもしれないと思いました。
 
 
①構図
縦構図ではなく、横構図で撮影しました。
空間的な奥行きよりも、世界観の広がりやすさを狙っています。
また、ご家族が揃えてきてくださったジーンズという素材も、インディゴという自然界に存在する染料のひとつでもあり、森との相性は抜群でした。インディゴブルーを左隅に配置することで右隅にある樹木とバランスを取ることができました。
 
②コントラスト
コントラストを1段階下げることで、インディゴが出すブルーの色と、森というイメージが放つグリーンの色に統一感も持たせようとしました。前ボケの木の強い印象も、若干ですが軽減されます。
 
③縦線と横線+曲線
奥に見える樹木だけではなく、前ボケとして木の曲線を入れることで、自然造形物の中で撮影をしていることを印象づけます。人間が持つ独特な曲線も、こうした樹木の曲線とどうようにこの空間と雰囲気が作り出した造形物のように見ることができます。
 
 
時折ですが、愛は自然ではないのかもしれないと考えることがあります。
愛とは人間が造形した抽象的なものでしかなく、それを視覚的に見ることなどできないと。
もし自然が作り出した物質だとするならば、それはいずれ科学や化学で解明されてしまうでしょう。
愛は記号や化学式によって表記された瞬間に、私たちの観念的表現から切り離されてしまいます。
では、人間が想像した文学的表現のひとつだと考えたとき、愛の多様性を初めて認めることができます。
 
この家族はどのような愛を表現しているのか。
この家族はどのような文学的表現を放っているのか。
父は、母は、そしてその子供は、それぞれに何を思っているのか。
 
私たちは、そのご家族が持つ文学的表現をすべてを肯定します。
そしてそれが互いにより伝える為の手段として、写真を撮影します。
 
 
ライフスタジオだからできることは、
ライフスタジオじゃなきゃできないことです。
 
そういう文化を大切にしていきたいと思います。

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
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