店舗フォトジェニック集
Photogenic
解像度を上げて
投稿日:2026/9/26     更新日:2026/9/26
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あの頃の私なら
肩に変な力が入って
「絶対に上手く撮らなきゃ」と自分にプレッシャーをかけ
被写体にどうアプローチしていいかも分からず、上手く指示も出せず、ただ必死に喋り倒して場を繋いでいたはずだ。
ライフスタジオでカメラを構えて、いつの間にか10年。
新人の頃、特に10歳前後の撮影が苦手で、カメラを持つ手が緊張で固まっていたのを今でも思い出す。
「被写体を動かす」難しさ
当時の苦手意識の理由はシンプルで、被写体をうまく動かせなかったからだ。
赤ちゃんやキッズの撮影なら、一挙手一投足がすでに完成された可愛さを持っている。積み木をカチカチ鳴らしているだけで愛らしく、画になる。
しかし、手足が伸び、ふと大人びた表情を見せる10歳頃の子どもたちとなると、赤ちゃんと同じアプローチというわけにはいかない。
表情、動き、構図のバランスを頭の中で同時に計算しながら、被写体が緊張しないように談笑しつつ。
当時の私の脳内は、処理能力を超えてパニック寸前だった。
被写体にかける言葉選びひとつで、導き出される動きは全く変わる。
必ずしもこちらのイメージ通りに動いてくれるわけではなく、その子の個性を見極める目も試される。
「良い瞬間」を見つけるアンテナ
新人時代、先輩カメラマンから「ほら!今!良い瞬間!」と肩を叩かれても、当時の私にはピンと来ず、「え、どこ……?」とあたふたするばかりだった。
流れゆく動きの中で「あ、いま良いな」と気づけるかどうか。
それは、その瞬間をキャッチするためのアンテナを自分自身が持っているかにかかっている。
例えばこの写真で、彼女はふと顔に手を添えている。けれどこれは「そこに手を置いてね」と直接指示したものではなく、会話と動きの流れの中から生まれた瞬間だ。
昔の私なら、きっと気づかずに見逃していただろう。
同じ光景を目にしながら、一瞬の美しさを見つけてシャッターを切れるか。
そこにカメラマンの“色”が宿る。
そしてその魅力的な瞬間を生み出せるかどうかが、前述した「被写体への投げかけ」にかかってくる。
ディテールに宿るもの
国分寺店で私たちが特に力を入れているのが、ヘアメイクだ。
七五三はもちろん、カジュアルな撮影でも「その子に合ったスタイリング」を行うことに注力している。
「その子に合わせる」と口で言うのは簡単だが、これが実に奥深い。
髪を結ぶ位置、前髪の分け目、毛先をふわっとさせるかピッタリまとめるか。リップの色ひとつで、衣装の印象すら大きく変わる。
全体の仕上がりが写真の質を左右するからこそ、被写体を見つめる「ヘアメイクの解像度」をどこまで深められるかが勝負になる。
彼女に会うのは、2年ぶりの2度目だった。
魅力的な子であることは、前回の撮影でよく分かっている。可愛らしくてユーモアもあり、彼女のちょっとした一言に思わず大笑いしてしまう。
けれどカメラを構えた瞬間、空気は一変する。
それまでの和やかな雰囲気から打って変わって凛とした表情になり、彼女の纏う空間までがスッと透き通っていく。
彼女との撮影は、緊張をほぐすような声かけも要らず
ひとつ投げかければ、10の表現で応えてくれる。
息をすることすら惜しくなるような時間の中で、私はただひたすらに彼女を追った。
目線の動き、指先のニュアンス、その一瞬一瞬の美しさを捉えようと引き込まれていく。
10年前の私には見えなかった繊細な表情や機微が、今の私にははっきりと見えている。
そうやって少しずつ「解像度」を上げてきたからこそ、この美しさに出会えたのかもしれない。
Photo & wrriten by tansho
Coordinate by Nishi
in Kokubunji
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