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スポットライト

投稿日:2021/5/31     更新日:2021/5/31

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Coordinator by Naomi Tanaka

Photo by Takashi Umino


 

私がカメラマンになる前、

「いつか、良い写真を撮って人を感動させたい」

と思っていました。

もちろん、カメラマンになった今でもそれは変わらず持っている感情です。

ただ、大切にしたいことはそれだけでなく、

今はもっと強く思うことがあります。

それは、

「楽しい思い出を持って帰ってもらいたい。」

ということ。

写真という結果物が重要なのは当然ですが、

ライフスタジオで写真を撮る以上、楽しくないと意味がありません。

私達も出会いを大切に、撮影で出会ったご家族や子供達との関係を深く、良いものにしたいと思うのです。

これはライフスタジオのマインドともリンクしてくる部分で、入社してからずっと体感してきた概念でもあります。

このマインドに共感できるのは、自分の根本に人と深く関われることを嬉しく感じる性格を持っているからでもあります。

 

写真の彼は、3兄妹の一番上の長男くん。

小学校入学の記念で写真を撮りました。

ソロを撮影する前、家族写真と兄妹写真の時の彼は、元気すぎるくらいに元気。

人見知りを発揮している末っ子ちゃんをよそにはしゃいでおりました。

次男くんは兄の真似をするので、男子チームはテンションMax、妹ちゃんが置いてけぼりな、いわゆるちょっとした「カオス状態」。笑

でも、それが彼らなら、彼ららしくてそれも良い。

 

ソロの撮影でも、彼はすごく楽しそうで、

撮影されていることをいい意味で意識していないようでした。

まさに君らしさが出ている。

ただそこにいる彼を、そこにある風景として写真を撮れば、笑顔の写真が撮れる状況でした。

ただ、私達が撮る写真は商業写真ですが、限りなく芸術写真を目指して撮影することも大事。

マニュアルではなく、カメラマンにある程度自由が与えられている為、そこにある風景を美しく表現するチャンスが大いにあります。

 

この時、彼の存在と同時に印象的だったのは、西陽です。

この時間にしか無い光の条件がありました。

陽の高さも、ちょうど撮影空間に突き刺さるような低い角度に達する時間でした。

この西陽の色だけでも十分に印象的なのですが、もっとこの偶然を活かしてより印象的に撮れないか、と考えると、ふと沸き起こったイメージ。

「フレアだ。」

彼に、ランドセルは膝に置いて座ってもらい、フレアの入る角度を探すと、少し下から見上げる角度になりました。

下からの角度というのは美しく写らないことがあるので、通常多くは用いない角度です。

自然体の彼が不自然にならないよう、ポージングを組んで、尚且つ目線を外してコーディネーターのなおちゃんと会話をしていてもらいました。

そしてできた写真。

思惑通りフレアが入り、彼の表情も素晴らしい。

 

この写真に対する個人的な印象は、

陽の空気を放つ彼に、スポットライトが当たっているかのよう。

「人生の写真館」として、

彼の人生が今、この瞬間に、健やかに美しく刻まれていることの証明になれば良いな。

そんな風に思います。

 

この日、私達とこの子が出会い、西陽が照らす中での撮影という、偶然による巡り合わせに、私は感謝しています。

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