店舗フォトジェニック集
Photogenic
工程とエッセンス
投稿日:2026/7/25
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photo volvo
coordinator misaki&Mr.Lee
studio Yokohama aoba
何をつくるにしても、そこには順序というものがあります。決められた順序を無視してしまえば、望んだ結果にはたどり着けないことのほうが多いものです。
例えば、カレーをつくるときには、まず野菜を切り、軽く炒めてから水を加え、最後にルーを入れます。これが一般的な順序です。しかし、この順序を守らず、最初にルーを入れ、最後に野菜を加えたとしたら、当然ながらおいしいカレーには仕上がりません。
写真も同じです。
撮影が始まってから、実際にシャッターを切るまでには、いくつもの工程があり、そこにも順序があります。この順序を守らなければ、多くの場合、どこかに違和感のある写真になってしまいます。
一般的に、ライフスタジオでは次のような順序で撮影を組み立てています。
被写体把握 → イメージ → 光の把握 → 背景 → 光の決定 → ポーズ → レンズ → 露出 → 構図 → シャッター
なぜ、このような順序なのでしょうか。
その理由は、私たちが何のために撮影するのかという問いと深くつながっています。結局のところ、私たちが撮影する目的は、目の前にいる被写体を美しく写し出すことにあります。
この順序が崩れると、何が起きるのでしょうか。
撮影の主役が、被写体ではなくなります。使いたい光、使いたい背景、使いたいレンズといった撮影者側の都合や技術が先行し、目の前にいる人が置き去りにされてしまいます。その結果、誰を撮っても同じような写真になってしまうのです。
では、この工程さえ守れば、必ず良い写真になるのでしょうか。
答えは、ノーです。
この工程は、あくまでも必要最低限の条件であり、良い写真を生み出すための基礎にすぎません。本当に良い写真を生み出すためには、この工程の上に、その撮影ならではの「エッセンス」を加える必要があります。
今回の撮影におけるエッセンスは、私にとって普段とは事情の異なる環境と、撮影中ずっと隣にいたLee社長からの提案だったのだと思います。
しかし、どれほど魅力的な環境や新しい提案があったとしても、基本となる工程がしっかりしていなければ、それらを写真の中で十分に活かすことはできません。表面的に取り入れただけでは、その良さは写真を見る人にまで伝わらないのです。
撮影の順序とは、表現を縛るためのルールではありません。新しい発想や偶然の出会いを、写真として成立させるための土台です。
まず被写体を見つめ、そこから一つひとつの工程を積み重ねていく。その確かな土台の上に、環境や提案、撮影者自身の感覚が重なったとき、初めてその撮影でしか生まれない一枚になります。
今回の写真は、基本を守ることが新しい表現を妨げるのではなく、むしろ新しい発想を活かす力になるのだと、改めて実感させてくれた一枚でした。
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