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2021年9月のフォトジェニック

投稿日:2021/10/21     更新日:2021/10/21

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家族写真

 

Photo by yoko , coordinator by hanyuko

 

 

 

家族写真にはいろいろな形があると私は思っています。

「かたち」というと真っ先に頭に浮かぶのはやはり構図でしょうか。

もちろんとっても大事です、構図という形。

人数、身長、どこに頂点をおくか、綺麗な三角形を作るか、あえて崩すのか。

大事です、構図。

 

でも、それと同じくらい大事、というか、その構図を考える上で決して忘れてはいけないのが「そのご家族のかたち」だと私は思います。

言い換えるならば、やはり「関係性」という言葉が適切かもしれません。

 

そのご家族一人一人の関係性を把握、あるいは推測・観察し、写真という形で表現する。

日常を切り取るようなイメージ。

私がカメラマンとして家族写真を撮るときに、とっても大切にしていることです。

 

 

カメラマンという生き物は被写体に対し「カメラ」という物質的な壁を一つ持っています。

カメラマンを始めたとき、私はその壁にとても戸惑いました。

コーディネーターをしている時にはその壁はなく、被写体と直線で繋がることができました。

そこに心地よさも感じていましたし、直線で繋がっているからこそ引き出せる被写体の表情があると確信していました。

だからこそ、私はカメラという物質に非常にもどかしさを感じていました。

さて、このカメラという壁を挟んで、どういう風に被写体と繋がって行こうか。

なんて考えながら、急に遠くなった被写体との距離に戸惑いもありました。

 

でも考えてみたら、というか、先輩方の経験と考えを聞かせていただいて自分で飲み込んでみたら、コーディネーターにはコーディネーターの、カメラマンにはカメラマンの、被写体との繋がり方があるということにたどり着いた自分がいます。

 

もどかしさを感じるのは当然。だって、私は5年間コーディネーターだけに打ち込んできたから。

だから最初は、当然もどかしさもある。人間だもの。

でも、「カメラマンとして」と考えたときに、自分という存在が被写体に介入した方がいい場合と、自分という存在が被写体に介入しない方がいい場合があるということを知り、実感しました。

(それについては詳しく書くと長いのでこちらでは割愛いたします。笑)

 

 

そんな私が初めて、自分の撮らせていただいた写真で写真分析を書きます。

私の中で、「カメラマンの守屋」という形が少し見えてくるきっかけになった1枚の写真です。

 

 

こちらのご家族は、父・母・長女・次女・三女・四女・五女・六女・孫、という大家族での撮影でした。

なんと、6人姉妹!私史上、一二を争う大家族さんです。

 

当日は末っ子ちゃんの3歳の七五三でしたが、着物撮影は父・母・末っ子ちゃんの3人で撮影。全員で参加するのはカジュアルなお洋服で、というご希望。

お姉さんたちはみんなでお揃いのオーバーオールを着ていたので、もちろん末っ子ちゃんもオーバーオールになるのかな?なんて思っていましたが、「今日の主役はこのお姫様だから!」と末っ子ちゃんはドレスで参加。

お母さんは「私は準備無理で〜!」とフォーマルのお洋服。

そうしたらお父さんもフォーマルかしら、なんて思っていたのですが、なぜかお父さんは「俺はアロハシャツです」と。娘たちもお母さんも「なんでアロハなのよ!!」と。笑

 

大人数の家族写真はもれなく構図に悩む私ですが、この時点で「撮らなければ」と思った形が一つ浮かびました。

それはこの写真、父が家族の中心にいる「家族のかたち」です。

お父さんが家族のムードメーカー・中心的存在だというのはあくまで私の推測ですが、その推測は短いながらもこのご家族のやりとり、会話、目線などを観察した上での推測です。

偶然この日に出会うことができた私というライフスタジオのカメラマンが「残したい」と思った「家族のかたち」。

 

 

「お父さん、よかったら真ん中で写りませんか」

「いいですね、やりましょう」

 

私の提案に対してそんな二つ返事だったかと思います。笑

 

 

そこからの組み方は単純です。

お父さんが真ん中、膝には主役のお姫様。

身長と年齢を考えながら真ん中から順に配置して行く。

 

最後に意識したのは「密着すること」です。

 

今の世の中、「密です!」「ソーシャルディスタンス!」なんて言葉が行き交っておりますが、家族写真において大事なのは触れ合っているかどうか、それが一つあると私は考えています。

 

というのも、所沢店の大ベテランカメラマンの先輩方から聞いたことがある受け売りなんですけどね。

体の一部が触れ合っていること、手と手が触れ合っていること。これも家族の繋がりを写真に残す上では大事なことなのよ、と。

昔聞いた言葉です。昔に聞いて、ずっと「その通りだなぁ」「大切にしていかないとなぁ」と思っていることです。

ここで誰か1人でも離れていたら、この写真はきっと違う意味を持った写真になっていたでしょう。

 

この写真は、私のご家族に対する想いと、ご家族自身の想いと、私がわずかながらも培ってきた経験と知識が詰まった1枚です。

 

 

 

「写真は、人と人が真に出会った時に作られる。」

 

以前、Lee社長のブログにあった言葉であり、下関店のフォトジェニックの文章でも引用されている言葉です。

私はまだこの言葉を上手に説明できるに至ってはおりませんが、そうありたいと切に思います。

 

ただのカメラマンではなく、ただ写真を撮る人ではなく、私はライフスタジオのカメラマンでありたい。

 

 

なんて、今はまだこんな大それたことを言うのも恐れ多いものですが、

いつかそれが自信を持って言えるよう、体現できるよう、

考え・技術・思いを磨いていきたいと思います。

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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
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