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市川店
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必然か、偶然か

投稿日:2019/1/7

2073 1

「必然か、偶然か」
 
ICHIKAWA Photo 
 
Photo by Yuri Motohashi
 
Coordinator by Takayuki Fujigoe
 
Write by Yuri Motohashi
 
Place:4F Flower Cafe
Time:AM9:15
ISO:320 F:3.2 SS:1/160

 
 

 


私たちカメラマンは、写真を撮ってお金をいただいております。
いきなりお金の話でごめんなさい。
お金をいただいている=責任がある、ということを伝えたかったのです。
私たちは、みなさまの思い出を撮るのがお仕事です。いろーんなお写真を撮ります。
どういった写真が良いのか?なんていうのに、正解はありません。

でも、よくこんな話をします。
 
「お父さん・お母さんが撮れないような写真を撮ろう」
 
普段自分たちの力では撮れないものを撮って欲しいから、お父さんお母さんはスタジオに来るんだと思います。
スマホでは撮れないような光を使った奥行きがある写真。
いつものキメポーズではなく、自然体な写真。
いつ撮ったの?というような、一瞬一瞬を切り抜いた写真。
 などなど。

これらの写真を撮るには、ある程度の準備や観察、身構えが必要だと私は考えます。

インテリアの空間を準備し、光の向きや被写体の性格を観察し、被写体の動きに構えておくこと。

こうして撮れた写真は、必然のように思います。
そして必然から生まれる偶然も、あると思います。

必然の写真をどう創り上げて撮るかは、カメラマンの腕の見せ所。
でもそこからこぼれ出る偶然をどうキャッチして撮るかも、カメラマンの腕の見せ所。
お父さんお母さんは、必然の写真と偶然の写真、どちらを求めているのでしょうか。
子どもたちが可愛く写っていて、カメラマンの意思と愛情がこもっていれば、どちらでも良いのではないでしょうか。


この流れで、今回の写真の話に入ります。
今回の写真は、必然でしょうか、偶然でしょうか。


 
 
【彼(被写体)のこと】
今回の彼は、2歳くん。
皆様ご存知の通り、2歳の撮影は難しい。
動く、動く、動く。
イヤ、イヤ、イヤ。
ママ、ママ、ママ。
聞こえないフリ、泣くフリ、知らんぷり。
だからこそ私は2歳の撮影時には、被写体を自由にさせます。
ある程度の環境は作っておき、ある程度の導線を張っておいて、その中で自由にさせて自然体を撮っていきます。
今回もそのつもりでした。めっちゃ動き回ることを覚悟した上で、迎え入れました。
偶然にも、彼が1歳のときに市川店に来てくれたとき、私はアシスタントで撮影に入りました。今回はカメラマンとして撮影に入ります。なんとも感慨深いものがあります。
さぁ、どれだけ成長しているのかな?
そんな思いで1年ぶりにご対面です。

挨拶に行くと、ちょっとお顔を隠す仕草がありました。
そう、彼はとってもシャイボーイに成長していました。まだお話しは出来ませんが、こちらの言うことは全て理解していました。
まぁ、言うても2歳。そのうち元気に動き回るだろうと思っていました。

シャイな彼の撮影は、家族写真から始めることにしました。心をリラックスさせるために。
パパとママに囲まれて、ちょっと安心したのか笑顔もチラホラ。私も一安心。
さぁ、そんなところでソロの撮影の始まりです。
自由に動きたまえ!!!!

 


が、しかし。
動かない。
みんな大好きな車・・・ちょっと遊ぶだけ。
みんな大好きなしゃぼん玉・・・じっと見るだけ。
みんな大好きなわけではないけどそこそこ頑張っているお姉さん(私)・・・避けられてる。


名前を呼んでも、無反応。彼の前に回り込もうとすると、それに比例して彼もクルクル。
 

そう、彼は、完全に私を避けていました。(なぜ)

 

【インテリアのこと】
この日は晴れていて、市川店の4Fのフラワーカフェには強い光が差し込んでいました。
ここは床がウッド調なので、オレンジっぽく、温かみのある光で撮ることが出来ます。
ここでなら、どんな動きをされても光が手助けをしてくれて、幻想的な写真が撮れると思ったので、フラワーカフェでの撮影を決めました。

 

【撮影中のこと】
車のおもちゃを置いて、彼を解放させました。ですが彼は動きません。
カメラは見ずに、車をギコギコ動かして、ちょっとだけ遊びます。真顔で。
2歳らしく、動いていいんだよ?遊んでいいんだよ?と、いろいろ試しますが、彼は座ったまま動きません。
うーん、せっかくの2歳くんだから、動きのある写真を撮りたいなぁ。
そう思いつつ、動かないことを逆手にとって、止まってくれているから撮れるような、光に包まれるような写真を撮っていました。
でも、目線が来ない。
そう思っていた、そのとき。
アシスタントのふじさんが、彼に帽子を被せました。
彼は帽子が嫌いです。すぐに取ろうとします。
そう、帽子を取るときが、唯一動きのある瞬間でした。
ふじさんが帽子を被せたときに「何か来る」と本能的に思いました。
そう感じたのは、僅か数秒。
直前までは全身が映る写真を撮っていましたが、彼の動きに集中出来る写真を撮る為に、急いでフレーミングを変えました。
そして、もう必死だったので正直よく覚えていませんが、彼の目線が欲しくてたぶん何か大きな声を発したと思います。
ここでやっと、動きがあって、目線ゲットの写真を撮れました。

 

【必然か、偶然か】
では、この写真は、必然でしょうか、偶然でしょうか。

光について。
私は、光が強く差し込んでいるフラワーカフェを舞台に決めました。必然です。

構図について。
自分の意思をもって、この構図で撮りました。必然です。

動きについて。
帽子を両手で取る可愛らしい仕草は、指示をしていません。偶然です。
ですが、帽子を取ることは分かっていました。必然です。

目線について。
こっちを見て欲しかったという欲望はありましたが、まさか見てくれるとは思いませんでした。偶然です。

 

【結論(持論)】
写真とは、必然と偶然が混じり合って出来上がるものなんですね。

 

【ちなみに】
撮影の最後の最後、「さぁ〜これで終わるよ〜〜!」と私が言った瞬間、彼は笑顔を見せてくれました。
完全にしてやられた〜(ノД`)

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人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
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