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湘南キネマ#1  ブラインドスポッティング

投稿日:2020/11/19

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随分間が空いてしまいましたが、湘南キネマ#1。

 

「ブラインドスポッティング」

 

ルビンの壺。

映画の中にも伏線のように出てきますが、これがこの映画の意図するものではないでしょうか。

この映画の中で、主演の二人が実際に生まれ育ったカリフォルニア州オークランドに深く残る歴史とそれに伴う意識と習慣が、同じであるはずの二人にも理不尽に無意識的に影響を与えていきながら、変わらない友情の姿をより浮き立たせています。

見るポイントにより自分の中で無意識的に主人公が変わったりもしました。

主演の2人は実際にオークランドで育った俳優であり、だからこそにじみ出るリアルさがあって、内容はフィクションでありますが要所要所ノンフィクションの雰囲気があります。

 

あー

なんてこった

なんで??

と思わず眉をひそめてしまうような社会の理不尽さも感じながら、

ああ、この地域ではこんな感じなのか、そうか、と「善悪」の基準が介在しない「文化」の存在感を想像し

納得するしかないところもありました。

 

親友である二人、黒人のコリンと白人のマイルズ。

波風立てず、自分の犯した罪により制限された世界から早く抜け出したいコリン。

オークランドのつっぱっている雰囲気に染まりたいけど

白人だからそこに越えられないものがあることを感じながら、自由に悪ぶるマイルズ。

 

何か問題が起これば捕まるのはコリンだけ。

人種差別問題と、友情と、無意識の存在。

同じように生まれ育ったはずの二人ですが、コリンはある事件をきっかけに

次第に自分はマイルズとは違う環境にあるという認識を強めて葛藤するようになります。

 

ルビンの壺を見て

「壺」と思うか

「向き合う人の顔」と思うか?

そして、それ以上に注目すべきところは

「どちらも同時に認識することはできない」ということです。

何事も二つあるからこそ互いの姿が見えるけど、二つを「同時に」認識することはできないんだ、ということがわかります。

 

私はしょっぱなからあまりにも自由奔放なマイルズの行動に

「わー!こら、マイルズー!!」と思いながら観ていたので

終始コリンがんばれ・・・!とか思っていましたが、

最後は「なんだ、まあ、マイルズもいい奴じゃん・・・」みたいな感じに終わる不思議な映画です。

男の友情っていいじゃない、みたいな。

 

差別問題などを取り上げるとシリアスになるものも多いですが、

男二人の友情がそれをうまく包んでまとめている映画。

実際にそこで生まれ育った二人が作った映画というところに意味深いものがありました。

 

 

 

何が見えますか?

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