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余白とは

投稿日:2017/5/25

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Photo by Kotaro Yatsu
written by Ayako Kai


人生の主役とは誰でしょう。
“自分”と答える人が多いのではないでしょうか。
 
では
自分が主役の人生の中で
自分の感情を100%表現できる人はどれだけいるでしょうか。
 
 
自分が全てだった幼い頃とは違い
成長するにつれ他者と接触する機会が増え
その関わり方を学んでいきます。
 
自分の意見ばかりが通るわけではないこと
時にぶつかる事があること
諦めることも必要な時があること。
 
人は集団の中でうまく生きる術を身に着けていきます。
自分の感情を少し隠しながら。
 
やがて結婚し、家族が増え
人生の主役は自分でありながらも
生活の中心は子供へと変化していきます。
 
ライフスタジオでもそれは顕著で、
9割以上のご家族が子供の記念にと訪れているような気がします。
あくまでも感覚でしかありませんが。
 
 
写真のお二人もお子さんを連れて来店されました。
ただいつもの違うのは、旦那様から奥様へのサプライズを企画していたという事。
 
事前にサプライズをしたいと店舗へ相談しに来てくれた旦那様。
私はその時の事を知りませんが、
撮影当日の印象としては多くを語らない、物静かな方。
言い方を変えれば少し不器用な方かもしれません。
 
そして奥様は照れ屋で、
ポーズの指示が入ると恥ずかしがるとても可愛らしい方。
 
家族写真、兄弟写真と撮影は進み夫婦の撮影に入ります。
緊張している旦那様と、いつも以上に近い距離に照れる奥様の
微笑ましい2ショットは75cutに沢山残されています。
 
この1枚はその中でも少し印象が異なりました。
撮影が終わりに差し掛かっている旨を告げた後に撮られたものです。
 
右側からの自然光のみで撮られたこの写真は
夫婦のいる空間だけを光が包み、
親としての2人が存在するわけではなく
2人だけの世界をそこに表現しています。
 
2人に注目してみれば
奥様は照れ笑いを隠し、少しぎこちない手つきで旦那様の腰へ手を回します。
一方旦那様は今までの緊張とは異なり、
最後の締めに向けて少し覚悟を決めたような
しっかりとした手付きで奥様の肩を握りしめます。
その表情はどこか冷静さを感じます。
 
2人の背後の余白は
元々旦那様が持っている物静かな人柄
この場の緊張感
フィナーレへ向けて冷静であろうとする感情
様々な要素を含んだ空間であり、
光が十分に届かずに出来た影も その余白の存在をより印象的にしています。
 
 
自分の感情を全て表現する事は簡単ではありません。
しかしその場の空気や人柄
そんな見えないものを
光と影、空間の使い方や表情の切り取り方で写真へ表現する事は可能であると思います。

人生の主役は自分です。
1人1人を見つめ、その人だけの一瞬を捉える写真を残したいものです。


ちなみに、サプライズは大成功でしたよ!

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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
人を、人生を写しています。

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