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空間を埋める

投稿日:2018/8/26

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空間の使い方というのを、私はとても難しく思う。

空きすぎていれば安定感のない写真になってしまうし、物を入れすぎてしまえば統一感のない窮屈な写真になってしまう。

そして、「何を」「なぜ」「どのように」入れるか。これを考えた上でそれを行わなければそれはカメラマンの意図のない写真になってしまうのではないだろうか。

 

前ボケといっても色々ある。

硬いもの、色のあるもの、色のないもの、シャボン玉のように反射をするもの。それらをその時々によって使い分ける。これが私には中々難しい。

ただただ「綺麗だから」という理由で前ボケを使うのはナンセンスだ。

 

空間を埋める理由の1つとしてあげられるのは安定感を生むためだと思う。

例えば、ただの和室に人がいて、周りに何もない状況で写真を撮っても何か物足りなさを感じるだろう。それを起こさないための手段の1つ。

そしてその埋め方の方法として「角を埋める」というものがある。これをするのとしないのとでは全く出来上がりが違うものになるということを私はライフスタジオに入ってから知った。

 

例えばこの写真だが、縦写真で被写体は真ん中より下、そして少し右側に位置している。

このままでは左側と上に大きく余白が空いてしまい寂しい写真となってしまうが、そこに足された前ボケによって安定感が生まれている。ちなみにこの前ボケは影になって分かりにくいが着物カバン(硬い前ボケ)で、その環境をうまく利用していることがわかる。

 

そして左角には草履置きのアイアンが、写真の下には光が反射した長椅子がラインのように入っている。それによってカバンのくらい前ボケが浮くことなく写真の中に溶け合っているように思う。

 

そして被写体の後ろにある掛け軸。これがしっかりと入ることによって、前「ボケ・被写体・背景」が「暗い・明るい・暗い」の三層に綺麗に分かれ奥行きが生まれる。これはいい写真の条件だと私は思っている。

 

 

光は半逆光。綺麗に顔に影が落ちているのがわかる。当て方と影、これが重要だ。

目の下に三角の光が入ること、光で顔のラインが消えないことなど気をつけなければならない条件は多々あれど、それらの基盤をしっかり守れば被写体の存在感やその子自身の魅力を最大限に引き出すことができる。

 

ここまでに上げた「空間を埋める」ことと「光」。どちらが欠けても安定感は生まれないのだが、何より大事なのはそれらが被写体であるこの子にあっているかどうかだ。

いくら綺麗な光で、綺麗なインテリアで撮ろうと、被写体であるその子に合わせたものでなければそれはいい写真とはかけ離れたものになってしまう。だからこそ大事なのが「被写体把握」なのだ。

 

その子に相応しい光、相応しい角度、表情、目線等。

ただ綺麗だから撮るということではなく、ただそこにあるから撮るということではなく、全てを踏まえた上での最高を引き出せるような自分になりたいと思う。

 

 

写真分析とはそのための練習であり、その手段だと私は思う。

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