PhotogenicTokorozawa

「Olivia -Blue-」

投稿日:2021/3/7

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Photo by Volvo , Coordinator & Write by Yoko

 

その人の中にある色と、その人の外にある色。そして、第三者から渡される色。

似合う色と、似合わない色。好きな色と、好きじゃない色。

その時々で変わっていくものだからこそ、色はとってもおもしろい。

 


 

 

 

写真館でコーディネーターをしているにあたり、私は「色」を意識することが多々あります。

ブルーベース。イエローベース。肌の明るさや着る人によってもイメージは変わっていく。

こと写真館においては撮る場所(インテリア)によっても衣装の雰囲気は変わります。

このインテリアだからこのお洋服を着せてあげたい。逆にこのお洋服だからあのインテリアで撮ってあげたい。など、など。

コーディネートひとつとってもその時々で意味合いは日々変わっていきます。

 

そしてライフスタジオで衣装を提案するにあたり、忘れていけないのは「写真に残す(残る)」ということです。

ただ可愛ければいいのか。ただ似合っていればいいのか。言葉選びが難しいですが、それはちょっと違うのではと私は思います。違うというか、それはとっても大事なことだけれども足りないものがある、と言った方が近いかもしれません。

 

衣装というのは行ってしまえば写真の構成要素。被写体に似合うのは当然のこととして、よりよい写真にするためには足りない何かを埋め、プラスの要素を組み込まなければなりません。

そして、コーディネーターが提案するものとはもちろん身に着ける服だけではなく、例えば小物やポージング等々の要素も含まれます。

衣装を提案したその時は物理的にそれがなくても、頭の中でそれら様々な想定がされているとよりプラスの要素が高まるのではないかと私は考えます。

 

 

この写真に写る彼女の話をします。

彼女の名前はオリビア。初めて会ったのは2018年。それからもう5回ほど撮影をご一緒させていただいています。

初めて会った時の彼女はとにかくパワフル。(笑)

妹のエルサと一緒にスタジオを走って、笑って、走って、笑って。

動いていない時がないんじゃないかってくらい元気な女の子。

それは今年の1月に会った時も変わらず、なぜだか安心したのを覚えています。(笑)

 

ただ、今年の1月に会った時に少し変わったと思ったのは、写真を撮る時になると「撮られる自分」を意識するようになったということ。

それはわずかな変化ですが、カメラを意識して撮られたい自分を意識するようになっていたことに私は少なからず驚きました。

「Kids」から「Junior」に。その変化が彼女にあったのではと私は頭の中で仮定しました。

もちろんそれらの私の感じた情報はカメラマンのvolvoさんに共有。

被写体の外面、内面の情報から撮る場所やイメージを固め、膨らませ、撮る前から写真づくりを始めていきます。

 

真っ先に「ここで彼女を撮りたい」と思ったインテリアは、写真に写るモダンな壁でした。

所沢店の和室に作られた小さな新スペース。あそこでオリビアを撮らなくてどうするんだ、と、なぜか当然のように頭に浮かべていました。

 

彼女が私に今回リクエストしたのは「スカートを使ったコーディネート」。

そこから私が考え提案したのは紫と青を基調にしたコーディネートでした。

ハーフの彼女は綺麗な肌色をしています。一般的にブルーベースといわれる肌色です。

必然、似合う色味はブルー系。ただ、私の中でメインに青を使うのは何となく彼女のイメージと違ったので、今回は紫色のトップスをメインに使いました。

理由は先述したイメージ云々もありますが、もう一つはインテリアを意識しての事です。

くすんだ青がベースとなっているこの壁に溶けすぎず、目立ちすぎず、ただしっかり馴染むように。

そう考えたときにこのくすんだ紫のトップスはぴったりだと思いました。

そして耳元にはブルーのイヤリング、足元にはブルーの靴下をいれることで衣装の統一感を意識しました。

(この写真では全身写っておりませんので、よかったら所沢店のInstagramで全身写って入る写真をご覧くださいね!そっちの写真もとっても素敵なのです!)

 

オリビア本人にもこの衣装が気に入ってもらえて、着替えが終わった後にこの壁の前に立ってもらった時、「あ、やっぱりね」とピースがはまったのを感じました。

イメージしたものと実際にそこにあるものがしっかりかみ合った感じ、ここまでしっくりきたのは久しぶりかもしれません。

 

しかし、しかしですよ。

このままでも十分いいのだけれど、何かが足りない。

そう、写真にした時にもう一つ何かがあるともっといい気がする。

そこでvolvoさんが持ってきてくれたのがこのFUDGEという雑誌。「赤」でした。

そう、衣装だけでは足りなかった何か。それは写真に残すときにポイントとなるような色でした。

統一感のある色味、世界観に原色の赤をひとつだけ入れる。

それによって、見る人はよりこの1枚の写真が目に留まり世界に引きずり込まれます。

そして何より、被写体であるオリビアの雰囲気(イメージ)がこの写真の中心です。

彼女の伏せる視線、表情、エトセトラ、エトセトラ。

去年の彼女ではこの写真は撮れず、また、来年の彼女でもこの写真は撮れないことでしょう。

 

今しか残すことができないということは、もしかしたらそれだけで美しいことなのかもしれません。

その今を表現し、記録すること。それはコーディネーターだけではできないし、カメラマンだけでもできない。

そして、ただ私たち撮影者が存在するだけでもできないのではないかと思います。

一番大事なのは被写体とそのご家族、そして私たち全員が通じ合うことではないでしょうか。

それがあるから、写真を構成する要素を組み立て、+αを考えだし、表現することができるのだと思います。

 

 

答えがひとつじゃないからおもしろい。

 

きっと、次にオリビアに会ったときには、また違う色が私には浮かんでくるのでしょう。

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