Photo by Natsuko Takagawa

Coordi by Yoko Ishikawa

 

私は、横顔の写真が好きです。

 

カメラの方を向いていないことによって撮影者の存在を感じにくく、どこか隙のある雰囲気が好きなのだと思います。

 

なぜ撮影者の存在を感じにくくしたいのか。

それは、少しでも「素のその子自身」を表現したいから。

私たちと会話をしてるときの表情だけではなく、その子が普段の生活の中で一息つくような、そんな些細な瞬間も75カットの中で写したいと思っています。

 

彼はハーフ成人式の男の子でした。

緊張しながらも頑張ってくれた男の子。まだあどけなさの残る可愛い子でした。

その可愛らしさも写真に残したい一方で、ハーフ成人式ということで少し大人っぽい雰囲気でも撮りたいと思いました。

 

ハーフ成人式に限らずどの写真もそうですが、特に節目で写真を撮るときには「いま」だけでなく、「これまで」と「これから」を残すという意味があると思っています。

 

小さかった男の子が小学校高学年になり、そしてこれから青年になっていく。たぶん、いまが「その中間」。その中間を残したいと思いました。

 

 

明暗差を意識することで大人っぽいに繋がるかっこよさを表現できるように意識しました。

顔に当たる光もそうですが、奥の壁が暗くしっかりと落ちて大人っぽく、静かな雰囲気になるように。

そして、瞳には光がきらりと入るように。よくするポージングではあるのですが、上を向いてその瞳に光が入っていることで、彼がこれからの未来を見てその方向が光っている、そんなイメージが伝わったらいいなと思いました。

 

凛とした雰囲気の彼のこの写真が、彼の「これまで」と「これから」の中間である「いま」を残す1枚になったら嬉しいです。