coordi by Narumi tera

photo＆Write by Tatsuhito goto

 

写真は「写心」とも言われるらしく、(最近知りました)

被写体の心、撮る人の心、見る人の心。三つの心が交わったとき、そこにはただの記録を超えた感動が生まれます。

 

この一枚がまさにそうでした。

 

写真を撮るということは、ただシャッターを押すことじゃない。

その人の“今”を信じて、寄り添って、

時にはその人よりも深く、その人の魅力を見つけようとすることだと思います。

 

だから私は、モノクロを選びました。

 

色がないこの世界では、誤魔化しがきかない。

だけどそのぶん、感情がにじみ出る。

光、表情、画角など

その全部が、この子を物語るピースになる。

モノクロの世界に写し出された彼女の姿は、色彩がないぶん、その“感情”の輪郭がよりはっきりと浮かび上がります。

色がないからこそ見える温度、音、質感。

無数の情報がそぎ落とされたこの写真には、逆に“美しさの本質”だけが残っているように感じます。

 

私は、というよりライフスタジオは、写真で“人生”を残したいと思っています。

それは笑顔だけじゃなくて、ふとした沈黙や、葛藤や、

言葉にならない瞬間をも、大切にしたいということ。

ただ記念として残すのではなく、「その人の人生の一部になるような一枚」を届けたい。

あとから見返したとき、撮られたその瞬間の“記憶”がよみがえるような

そんな写真を残したいと思っております。

この一枚も、そうなれたらとても嬉しく思います。