店舗フォトジェニック集
Photogenic
「写っていない何か」 ライフスタジオふじみ野店
投稿日:2026/10/23     更新日:2026/10/23
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写真は、どこまで鮮明である必要があるのだろう…。
表情や仕草、その瞬間を逃さずに残すこと。
写真を撮る仕事をしている以上、それは今でも大切にしていることの一つです。
でも、写真について考える時間が増えるにつれて、必ずしも鮮明に写すことだけが正解ではないのかもしれない、と思うようになりました。
少しブレていたり、何が写っているのかはっきりしなかったり。
そんな写真だからこそ、伝えられる何かがあるのではないか…。
新しい写真表現に挑戦したいと思っていたこともあり、今回は「ブレ」を生かした写真を撮ってみたいと思いました。
ただブレた写真を撮るのではなく、ブレることで何が伝わるのか。
今までの自分とは少し違う視点で、写真と向き合ってみようと思いました。
変わっていくもの、変わらないもの。
今回撮影したのは、これから新しい命を迎えるお二人です。
二人で過ごしてきた時間から、三人で過ごしていく未来へ。
これまで当たり前だった日常が、少しずつ変わっていく。
そんな変化の途中にいるお二人を見たとき、今回挑戦したかったブレという表現が重なりました。
写真は一瞬を切り取るものですが、時間は止まることなく流れ続けています。
その時間の流れを、一枚の写真の中で表現してみたいと思いました。
変わっていく時間の中にもきっと、変わずに残り続けるものもあると思います。
それは、二人がこれまで築いてきた関係性です。
今回の写真で、私が残したかったものの一つが、二人のつないだ手でした。
家族の形が変わっても、これまで二人で積み重ねてきた時間がなくなるわけではありません。
その時間の先に、新しい命が加わっていく。
変化することは、今までのものがなくなることではなく、これまでの時間に新しい何かが加わっていくことなのかもしれません。
写っていないものの中にある価値。
以前、石井朋彦さんの『すべては距離感である』という本をお読みました。
この本には、「写っていない何か」の方が大事。と書いてありました。
写真に写っているのは、ほんの一瞬です。
でも、その一瞬の前にも、その後にも、時間は流れています。
その場の空気や、被写体との関係性、そこに至るまでの時間。
写真には写っていなくても、確かに存在しているものがあります。
今回の写真も、二人の表情を鮮明には写していません。
けれど、つないだ手や、お腹に添えられた手から、二人が過ごしてきた時間や、これから迎える未来を想像することができます。
そして、そこから何を感じるかは、見る人によって違うと思います。
温かさを感じる人もいれば、少し切なさを感じる人もいるかもしれません。
私が伝えたかったことが、そのまま相手に伝わるとは限らない。
でも、それでいいのだと思います。
以前は、自分が伝えたいことを、どうすれば写真で表現できるのかを考えることが多かったように思います。
けれど最近は、写真を見た人が何を感じるのか、その人自身の記憶や経験によって、写真の意味が変わっていくことにも面白さを感じています。
写真の価値は、撮った瞬間にすべて決まるものではなく、見る人によって新しく生まれることもある。
そう考えるようになってから、写真との向き合い方も少しずつ変わってきたように思います。
完璧ではない写真が持つ面白さ。
もう一冊、今回の撮影で思い出した本があります。
嵐田大志さんの『カメラじゃなく、写真の話をしよう』です。この本は、大宮店の店長、上田さんに教えていただいた本です。
写真を撮る仕事をしていると、ピントや構図、光の使い方など、技術的な完成度を求めることが多くあります。
もちろん、どれも大切なことです。
でも、技術的に整っている写真だけが、人の心を動かすとは限りません。
少しブレていたり、すべてが鮮明に写っていなかったり。
そんな写真にも、その写真だからこそ伝わるものがあるのではないかと思います。
今回、あえてブレを取り入れたのも、そんな可能性を感じたからです。
ただ、ブレていればいいというわけではありません。
なぜブレを取り入れるのか。その表現によって、何を残したいのか。
そこに自分なりの考えがあることが大切なのだと思います。
同じ被写体を撮影しても、撮る人によって写真は変わります。
何に目を向け、何に心を動かされ、何を残したいと思うのか。
その違いが、写真の面白さでもあると思います。
今回の写真も、誰かにとってはよく分からない一枚かもしれません。
でも、私にとっては、今までとは違う表現に挑戦し、写真の新しい可能性を感じることができた一枚になりました。
私自身の、変化発展。
今回の撮影を通して、改めて感じたことがあります。
それは、写真にはまだまだ自分の知らない表現があるということです。
これまで大切にしてきたものを変える必要はないけれど、そこに新しい考え方や技術が加わることで、写真の幅はもっと広がっていく。
そして、何をどう写すかだけではなく、何を写さず、何を想像してもらうのか。
そんなことも考えながら、写真を撮っていきたいと思いました。
今回のブレという表現が、必ずしも正解だったとは思っていません。
もっと違う表現があったかもしれないし、まだまだ技術的にも考えることはあります。
それでも、新しいことに挑戦したからこそ、気づけたことがありました。
本を読んで、考えて、実際に撮影してみる。
その中で、今までの自分にはなかった考え方が少しずつ増えていく。
私にとっての変化発展は、そういうことなのかもしれません。
変化することは、今までの自分を否定することではなく、これまで積み重ねてきたものに、新しい何かを加えていくこと。
今回の写真を撮りながら、そんなことを考えました。
家族の形も、日々の暮らしも、時間とともに少しずつ変わっていきます。
埼玉県ふじみ野市にある写真館、ライフスタジオふじみ野店では、マタニティフォトやお子さまの成長記録、家族写真を通して、そんな家族の変化や、今しかない時間を大切に残していきたいと考えています。
「人生の写真館」として、記念日の姿だけではなく、そのご家族が歩んできた時間や、これから続いていく物語にも目を向けていきたい。
そして、何年後かに写真を見返したとき。写真に写っている姿だけではなく、あのときの気持ちや、その場の空気まで思い出せるような一枚を残したい。
これからも、新しい表現に挑戦しながら、自分自身の写真と向き合い続けていきたいと思います。
そして、撮影で忘れてはいけないのが、一緒に撮影を盛り上げ、サポートしてくれたコーディネーターのはこちゃんの存在です。
撮影中の雰囲気づくりや、お二人とのコミュニケーション。
私が新しい表現に挑戦できたのも、隣で一緒に撮影をつくってくれる存在があったからこそだと思います。
写真には、カメラマンの名前が残ることが多いけれど、その一枚は決して一人でつくり上げたものではありません。
写真には写っていなくても、その場にいた人たちの関わりや、積み重ねた時間がある。
今回、本を通して考えていた「写っていないものの価値」は、こうした撮影の裏側にもあるのだと改めて感じました。
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