店舗フォトジェニック集
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Best of Tamada October.2017
投稿日:2017/11/13
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私たちの身の回りには数えきれないほどの物が存在しています。.
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物の数だけ、それを使ったやり方や遊びがあり、
なければある程度の物は買ったり、もらったりして手に入れることが大人になった私たちはできます。
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しかし、私たちが幼い頃、まだ自分で物を手に入れる手段を持っていなかった時、
何かを求めて探しにいくのではなく、そこに今ある物たちで、
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自分だけの世界を作り上げて遊んでいたことがよくありました。
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知っている遊びの為に物を得ようとするのではなく、
あるものだけを駆使していかに楽しく遊ぶか考えられることにおいての想像力は大人になった今より子供の頃の方があったのではと思います。
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私の中で特に思い出に残っていることは、
初めて買ってもらった勉強机の下でひとり秘密基地のように隠れながら物を並べて空間を作り上げて遊んでいたことです。
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側から見たら狭い空間に物を並べているだけに見えますが、遊んでいる私本人からすると、そこには私の中で壮大な世界が広がっていました。
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子供の頃は
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リビングにおいてある椅子の下でも
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陽の光をいっぱいに浴びたカーテンの中に包まった時でも、
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ふかふかのベッドに親にばれないようにこっそり潜り込んだ中でも、
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もしくは外で遊んでいるときに偶然見つけた小さな草陰の中でも、
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その場所、もしくは物を見つけて、ここでこれをしよう!と決めた時、すごく心が高鳴って、どう空間を作り上げていこうかとわくわくする感覚がありました。
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今の私は、実在しているものをそのまま自分の世界にしています。
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それは部屋のインテリアだったり、小物だったり
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子どもの頃と比べると
何か想像を膨らませて頭の中で思い描いていくことがだいぶ少なくなってきました。
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その場所、その時々で描く豊かな発想を
いつの間にか失くしてしまったような、そんな気がしました。
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しかしそんな私の子どもの頃の懐かしい感覚を思い出させてくれるふたりがいました。
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光と共に星を並べて手に取る兄弟、
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陽射しを一直線に受けた先にある星
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お兄ちゃんはもう新しい遊びを見つけたかのような微笑みをして
弟くんはまだわからず少し不安げな顔で星を見つめている表情
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きっと2人にしかわからないストーリーが
この兄弟の中で膨らんでいることでしょう
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子どもの頃の豊かな発想は
大人になっていくに連れて消えてゆき現実的な考え方になっていきます。
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それは子どもの頃に無限に広がっていた発想をなくし、気づかないうちに思考の幅まで狭くしてしまっているのではないでしょうか
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写真の世界も同じような気がします。
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カメラのフィルターを通して現れてくる世界にリミットなどなく、
光や切り取る空間、そして十人十色の被写体によって無限に生み出されていきます。
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私は、撮りたい写真を思い描いてシャッターを切ることはもちろんですが、
被写体がふとした時に見せる表情や動きを見た時、大きく心が惹かれるものがあります。
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その人自身にしかない、そして今まで見たことないものを見ることができた時に大きな胸の高鳴りを感じます。
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この感覚はいつかの子供の頃に感じていた新しい遊びを見つけた時のわくわく感に似ていたのかもしれません。
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いつの間にかなくしてしまっていたかのように思っていたことでも、写真と被写体との触れ合いの中で蘇っていたのです。
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「一度あったことは忘れないものさ。思い出せないだけで…」
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とある映画で印象に残っている台詞、
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人間の記憶は、思い出せないだけでどこかに残っているもので、
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写真を撮っていく中で、突然、普段全然思い出せないような子供の時の体験を不思議と思い出すことがあるのです。
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毎日写真を撮っていく中で、アドバイスを受けることとして、
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“写真の中にストーリーを持たせる”
というのがあります。
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お客様と私自身の繋がりから写真を通して、まだ見たことのない世界を切り取りに、
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そして幼い頃にたくさん思い描いていた世界を再び創造する旅に、この先も出掛けていきたいと思います。
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